最新 最古
2005-11-12

懐古談議  NO 1330


  ご葬儀を終えてから7日毎にお客様のご自宅を訪問するのもスタッフの仕事。それは、中陰祭壇に飾っていただく「お花」を届けることを目的としているが、葬 儀という場で悲しみの事実を知っている我々が「悲嘆」の軽減につながる「思慕」の部分に役立つという大きな意味もある。

 法的な手続き、法要の進め方、相続に関する情報などのアフターサービスは3日毎に郵送する10通の手紙で対応しているが、参上して言葉を交わすコミュニケーションは葬祭サービスの中で重要であろう。

「**家様へ行ってきます」と言って出掛けた女性スタッフ、車で往復20分ぐらいなのに2時間経っても帰社しない。<事故でも?>と心配していたら、それから30分ほどしてから戻ってきた。

 事情を確認してみると、彼女は2時間もご当家に上がり込んでいたそう。お通夜、葬儀で顔を覚えられた5歳ぐらいのお孫さんがおり、大歓迎してくれてお家の中を案内してくれたと言った。

一瞬、ハッとして「親御さん達もおられたのか?」と確認すると「はい、皆さんいらっしゃいました」と聞いて安心したが、お茶を頂戴しながらご遺影の前で昔話を拝聴するのは癒しや慰めにつながる筈。

これらは、「葬儀の仕事って、素晴らしいですね!」というスタッフの遣り甲斐にもプラスとなるので大歓迎だ。

 葬祭業にあって女性スタッフの存在は絶対に重視するべきというのが私の結論で、十数年前から重用してきた歴史がある。

  葬儀の仕事は究極のサービス業、そこで女性特有のホスピタリティを活かすべき。男社会であった業界、接待スタッフや司会者に女性の起用はあったが、打ち合 わせ、ご納棺、式進行統括をする女性はまだまだ数える程度が現実、今後、間違いなく女性が活躍する産業になると確信している。

 数日前、あるお寺のご住職の葬儀が行われた。当然のように多くのお寺様達が参列されるが、お電話を頂戴してからお通夜までスケジュールが調整出来ず、この「寺葬」の責任者を女性スタッフが担当した。

 お寺様の社会では、申し訳ないが女性に対する抵抗感があることも事実。本堂の「内陣」には入れないお寺も少なくないし、女性司会者を歓迎しないお方もまだまだ存在される。

そんな背景もあり<寺葬に女性が責任者!>と驚かれたようだが、その後、知人のお寺様からお褒めのお言葉を頂戴することになり<何より>と安堵した出来事、それも新しい時代の到来のような気がしている。

 夜、古い歴史のある料亭に出掛けた。学校関係の会合で、懐かしい人達との時間の共有。すぐに昔話に花が咲いたが、そこで挨拶をされた中に融通念仏宗独特の「伝法」を受けられた体験談が出てきてびっくり。それは、浄土宗で言われる「五重相伝」と同じような修行。

 また、別の方が曹洞宗の道元禅師が説かれた味のある言葉を披露され、何やら仏教の集まりみたいな第一部。宴会に入って少しだけお酒を飲んで真っ赤になり、先輩達にお誘いを受けた二次会は仕事の関係で辞退申し上げて帰ってきた。

 来週はハードな一週間、何より体調を整えることが大切。今からあるお方が上梓された「自分史」の大作を、もう一度拝読しながらおやすみなさい。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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