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2005-11-16

訃報通知  NO 1334


 弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバー達は、各社のHP内でコラムやブログを発信しているが、そんな中<全国で毎日起きているのでは?>というような体験談が掲載されていた。(リンクのページから神戸のメンバーへどうぞ)

 彼は、会社に届いたファクシミリ通知で取引先の訃報を知り、遠方で行われたお通夜へ弔問に行った。

 入り口に設けられた受付で名刺と香典を差し出し、やがて式場の中に入って行ったのだが、祭壇を目にして瞬時に<やばい!>と気付き、急いで受付に戻って無作法だが香典の返還を求める行動に出たそうだ。

 ここまでで「何が起きたのか?」と葬祭業者なら理解出来るだろうが、種明かしをすると、その葬儀は「神式」で行われており「香典」と表書きをしていた誤りに「しまった!」と思ったからである。

 受付の方に事情を話すと「皆さん香典となっています」ということだったが、その後のことを考えたらプロとしてのプライドが許さず、会社に「ファクシミリを調べて」と確認の電話を入れた。

それによって「宗教のことには触れられていない」という事実が判明したが、「仏式」と勝手な思い込みをしてしまったことに後悔が生じる。

 訃報通知の方法は、通知状、ファクシミリ、電話が一般的だが、社葬や本葬儀の黒枠広告の場合に記載されているように「仏式」や「神式」という形式明記は大切なことである。

 弊社が担当する葬儀の場合、自宅、お寺、地域会館では香典用の金封袋を用意してあるが、神式の場合に「香典袋ありませんか?」と言われることがかなりあるのも事実である。

 葬儀の大半が「仏式」であり、クリスチャンなら式場が教会ということで気付き易いが、神式の場合は式場に到着してから知ることが多く、こんな悲喜劇に発展する訳である。

 さて、香典の表書きについて触れておきたいことがある。神式なら「玉串料」が一般的だが、テレビに登場する冠婚葬祭アドバイザー達が「御霊前なら宗教を問いませんから安心です」と発言していることに問題が秘められている。

 確かに近いところまで「言い得ている」ことは認めるが、厳密に言えば「仏式」の浄土真宗系には「禁句」であり、そのことについてもフォローすべきであると提言したい。

「なぜ?」って、メールを頂戴したら困るので少しだけ書かせていただくが、親鸞聖人が開かれた浄土真宗では「霊魂あるないを問わず」という考え方があり、「霊」「黙祷」「冥福」「祈る」などの言葉が厳禁となっており、プロの司会者達は絶対に使用しない用語となっている。

「御仏前」「御尊前」「御宝前」など、仏式には様々な言葉があるが、神式やクリスチャンの葬儀に「線香入り」の弔電だけは気を付けたいものである。

 結びに、今日のタイトル「訃報通知」だが、葬儀では「案内」ではなく「通知」という言葉が用いられている。

それは、一方通行型でも非常識でないという「常識」なのだが、今、その訃報通知で私は心身共にパニックの状況、最も気になっていた広島の大切な方のご訃報が入ったから。まずは西に向かって手を合わせ、南無大師遍照金剛と唱えます。
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