最新 最古
2005-11-20

担当出来ました  NO 1338


 ホテルに向かう深夜の峠、外気温が「2度」になっていたので心配していたが、朝から好天に恵まれ、故人の人徳を物語るようにあたたかな日差しを受けた葬送となった。

 忘れてしまったCD機材、式場に設置された音響設備を使用するべき?と迷ったが、やはり空間環境に音質は欠かせず、昨夜のお通夜の司会を担当してくれた松山の塾生に頼み込み、チーフ・パーサーを同乗させて家電ショップを探してもらった。

 近くにあると聞いた電気屋さんが日曜日でお休み、仕方なく市内の大型ショップでデッキとスピーカーがセットになったタイプを購入、接続してみたら何とか思っていた音質が流れて安堵。

 お通夜の参列者数が多かったことを聞いてはいたが、最近の傾向では葬儀当日は減少するだろうと予想していたのが大間違い、入り切れないほど会葬者が来られた。

 ご遺族を伴ってご寺院控え室に参上、挨拶に続いて塾生達の紹介、次に式次第にご無理なことをお願いしたが、会葬者の方々がご出棺までお見送りになる慣習を耳にしてシナリオを変更、ひとつは導師退出の後で進めることに。

 開式前に塾生達と打ち合わせていた内容と異なることが多くあったが、いつもそんな体験をしているチーフ・パーサーがおり、「また始まった!」というような表情が垣間見えた。

 九州、四国、東京の塾生達が大活躍、<居らなかったら大変だった!>という存在、ご遺族と共に感謝した。

 開式前の「神変」ナレーションの一部を女性の塾生ということで予定していたが、満席の上に司会席の前にも多くの人が立ち、緊張の会場空間をつくるために強調型の司式バージョンで私が担当することになった。

 7人のお孫さん達のお手伝いもうまく運んだ。式場に不幸でないひとときが生まれた感じ、私の前におられた会葬者の「お婆ちゃん、喜んでいるわよね!」という会話が聞こえた。

  式次第の中で行った「星名国際登録証」の奉呈式だが、ナレーションをしながら周りの方々の驚きが伝わってくる。何人かの方の「凄~い」というお声も入っ た。これは私からのお母様へのプレゼント、ご宗旨が真言宗ということからお許しを得ずに勝手に進めたものだったが、BGMは「慈曲」から、高橋三鈴さんの 遺族を励ますためのオリジナル曲「時空を越えて」を使用した。

 ご導師が退出され、ご親族代表の謝辞、そのフォローで皆様にお見せ申し上げたのが数枚の色紙、多くの方々が故人に感謝されるお言葉がしたためられたもの。お別れ時に塾生達が紹介するシナリオを描いていた。

  幼い頃にお母様を亡くされ、二十歳過ぎにお父様を亡くされたという故人、そんなところから憧れておられたのだろうか、看護師の道一筋。晩年は婦長さんとし て多くの人達に慕われた素晴らしいお人柄、「人生のカーテンコールに拍手を」と申し上げたら皆さんが拍手。それが今回の私の大切な仕事だったように思って いた。

 ご出棺後、皆さんにお手伝いをいただき音響設備の片付け、車に積み込み帰阪してきたが、開式前に遺族から「大阪に戻られてから読んでください」と頂戴した手紙、帰社して拝読したら感涙した。

 私宛のもの、そしてチーフ・パーサー宛とあった。それは、おそらく我々がホテルに向かてからの未明に書かれたものだろうが「最後に親孝行が出来ました」という一文に手を合わせた。

 帰路の山陽自動車道の車中、二人で反省の会話をしながら戻って来たが、中国道の渋滞で行きの倍の時間を要することなり参ったが、「行くことが出来てよかった」の思いを共有し、心地良い疲れとなった出張だった。

 お母様とのご仏縁に衷心より合掌を申し上げ、塾生の皆さんに心から感謝申し上げます。

 そうそう、お母様がお召しになられていたお着物は、ご主人と反物から選ばれたもの。仕付け糸が付いたままで、娘さん達のご希望で決められたという。そんな情報を耳に入れてくれたチーフ・パーサーが、そのことをマイクでコメントしたら嬉しそうだった。
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