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2005-12-15

将来に夢を託して  NO 1364


 朝からインフルエンザの予防注射、「48時間、高熱の人に接しないように」とアドバイスをされ、これも予防のためにと風邪薬を頂戴してきた。

 待合室で読んだ新聞、JRの看板列車であるトワイライト・エクスプレスで、パーサー達がコーヒーの売り上げを誤魔化して分け合っていた事件が報道されていた。

 永年に亘り慣習的に行われていた悪習が内部告発から発覚したようだが、チーフ・パーサー以下6人が乗務するチーム、片道で一人当たり500円程度の着服となるようだ。

 一方で人の命を無視した建設設計が問題になっている。「士」や「道」という文字が、日本の文化の中で死語となりつつあるようで寂しい限り。恥の文化が薄らぎ、無責任が罷り通る世の中は「お天道様」の光が弱くなってきたのだろうか。

 弊社にもチーフ・パーサーというスタッフがいるが、彼女は担当させていただいたお客様から「形見分け」を頂戴したこともあり、自分の職務に誇りを持って取り組んでいる。

 飛行機の客室乗務員や新幹線のパーサーという仕事は、女性の仕事の憧れみたいで華々しいようだが、ホテルマン以上の資質が求められる我々の仕事にあって、いつかは「葬儀に従事するスタッフが最高」と、社会認識される時代が来るだろうと期待している。

 さて、昨日、大阪府仏教会さんから午後と夕方に宅配便が届いた。<どうして2回も?>と開けたら、一つは仏教徒大会の記念品で、もう一つは「御礼」となっていた。

 恵贈くださった品物が有り難い。前者は災害時用のラジオ付き懐中電灯で手動発電機タイプ。後者はハロゲンヒーターだった。

 一階の廊下が長くて広い弊社、エアコンだけでは寒くて仕方のない私の部屋に、何より温かいプレゼントと手を合わせて頂戴した。

  過去の仏教徒大会でパネリストに招かれたことがあった。大正大学の藤井先生、大阪大学の大村先生とご一緒に、葬儀についてお話をさせていただく貴重な体験 だったが、自身に与えられた20分間に衝撃的な話題を提起し、ご出席されていた400名の宗教者の皆さんにどよめきが生まれたことも懐かしい思い出。

 続いて行われた懇親会、私のテーブルに多くの方が来てくださり、そこで来賓であった他府県の宗教関係者から講演依頼を数件受けたが、そのひとつが名古屋仏教会主催の特別記念講演だった。

 あれから葬儀の「かたち」は私が発言したように急変した。今ならもっと衝撃的なことを発言することになるだろうが、それは、宗教者と遺族の間での立場、そして多くの参列者の表情や声を把握するプロデューサーとして、今後の方向性を確実に捉えていると自負しているから。

  悲しみに都会も地方もない。とすれば葬送の「かたち」は猛烈なスピードで激変するするだろう。今日も塾生である女性司会者からのメールに「葬儀で拍手を行 いました」とあり、ご遺族や参列者から感謝をされたと書かれていたが、きっと、彼女は充実した達成感を体験されたことだろう。

 全国で、そんな「輪」が拡がる。悲しみの場で送る「和」が生まれる。「変なオジサン」の発想は間違っていなかったように思いながら、「命の伝達式」を併せ、これらをどうして宗教者がされないだろうかと疑問を抱いている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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