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2006-01-08

玉手箱!!  NO 1388



 手元に私の生まれた昭和22年の毎日新聞の一面がある。2月1日号だが、トップ記事は2月1日に予定されていたゼネストを、前日午後3時に発せられたマッカーサーの中止命令によって阻止された旨があった。

 見出しに「中労委の努力空し」「国鉄中止命令」「各闘争委員長招致」などが並び、「電力制限強化」「食料に万全」「日本へ米綿89万俵」と、戦後の困窮する社会状況を顕著に表すニュース文字が躍っていた。

 これらは我々団塊世代が生まれた時代背景を象徴するものだが、そんな社会で我々を育ててくれた親達の苦労を考えさせられる。

 5月20日に吉田内閣が総辞職、やがて片山連立内閣が成立。6月に日本ダービーが復活、8月には古橋選手が400メートル自由形で世界記録を樹立、終戦から始まったベビーブーム真っ只中に、宝くじが発売された年であった。

 因みに一等は100万円だったが、新聞10円、食パン6円24銭、銭湯が2円18銭、ワンマンと不逞のヤカラという言葉が流行、「鐘の鳴る丘」「二十の扉」の番組が人気を博していたという。

 終戦後、少し国内が落ち着いたのだろうか、ベビーブームの裏付けとも見受けられる出版物も。田村泰次郎の「肉体の門」やヴェルデの「完全なる結婚」が登場しているのが面白いし、私が後年に何度も観た映画の名作「荒野の決闘」も初放映されていた。

 一面の下段にある広告にも文学的なものが並んでいる。「ゲーテ伝」「大英和辞典」「白秋研究」「啄木詩集」「短歌の表現と技巧」などが列記されている。

 興味を抱いたのは社説の見出しで「敗戦の現実に徹せよ」とあり、アメリカ支配の敗戦国家の形成を複雑に物語るものだった。

  それから長い月日の流れ、この3月に私も59歳を迎える。青春時代に名神高速道路で起こした大事故で奇跡的に助かった命だが、つくづく神仏から与えられた 命であり、葬儀という仕事を天職と考え「使命」の遂行に全うする余生を過ごさなければならないと思う感謝の日々。ここに「生きた証し」の1ページを綴って いる。

 仕事を終え、夕方から遠方のお寺様へタクシーで。5時間半の意義ある時間を過ごさせていただき帰宅したが、帰路の途中にある今宮戎神社の周囲が賑やか、明日の宵戎には大混雑で通行止めとなる道だった。

 メールを開けてから日課のHPを訪問、弊社のリンクページから次々に開くと愛媛の塾生が私の特集みたいなことを書いており、言葉で表現出来ないようなくすぐったい心情を覚えた。

  これまでの彼のブログから社内スタッフに意識改革が始まったことを感じ、来社された社員さん達の前向きな姿勢を頼もしく思っていたが、松山市内ナンバーワ ン葬儀社からオンリーワン企業という「冠」をお客様から頂戴する会社に進化されたようで、今後の成長がいよいよ楽しみ。「四国松山に小倉葬祭あり」という 存在感がパワーアップしつつあるようだ。

 彼は実直で素晴らしい若者である。彼によると、社長は私の性格と似ているそうで、ハラハラしな がら見守っている社長のご心情を拝察申し上げる。しかし、北国の女神と称される「水冠」さんや、九州のHAYUさん、ままごんさんなどの塾生達に愛される 存在とはかなりの人物。立派に「悲しみのプロ」の仲間入りを果たしたと公言し、ますますの謙虚な精進を願っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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