2002-04-09

出張先でのハプニング

ゴルフをやっていた頃、夏の暑い時は必ず「ポカリ・スウェット」を携行していた。これは、いつも同伴していた友人の医師の薦めからであったが、正直言って失礼だが、飲み難い代物だった。
 
今、この原稿を山陽新幹線の「のぞみ」の中で打っているが、窓ガラスの棚にはポカリ・スウェットが置かれている。信じられない話だが、ワゴンサービスの女性に自分で注文したものである。
 
なぜ、そんな不思議なことをと説明申し上げる訳だが、出張先の九州で大変なハプニング起こしてしまったことに起因している。

 宿泊していたホテルでの早朝、突然「鼻血」に襲われ、同宿の協会メンバー2人に大変な迷惑を及ぼし、ついに、救急車で病院に運ばれることになってしまった。

 数日前から疲れモードでハードスケジュール、後頭部が「のぼせて」いるような兆候があったが、まさか旅先で緊急入院する羽目になるとは予測していなかったことである。

 鼻血なんて30数年振りのこと、尾籠な話で恐縮だが、病院でティッシュペーパーの大きな箱を2箱近くも使用という状態で、医師、看護婦さんにも大変な苦労を強いてしまった。

  人間の身体から、よくもこれだけの血液が出るものだと、本当に苦しい体験となったが、最も辛かったことは、日曜日早朝の入院ということで耳鼻科の専門医が おられず、なんとか出血を止めようと施された血圧降下、止血目的の点滴や「詰め物」で、血液が次から次へと喉の奥から溢れてくる苦しさは、二度と体験した くない苦しみだった。
 
夜を迎える頃、何とか出血が止まり、その日初めての食事となったが、期待しなかった病院での食事、「お米」の味が素晴らしかったこと、生かせていただいたことに感謝しながら味わう貴重な体験ともなった。

その夜、薬によって久し振りの熟睡の世界へと導かれ、次の日の午前中に専門医による手術となったが、「ちょっと焼きましょう」と言われて手にされた医療器具を見て衝撃を受けた。

ハンダゴテと鋏を合わせたようなもので、電気コードがつながっている。その20分ぐらい前に麻酔の処置が施されていたとは言え、「ジュジュッ」という音が耳に聞こえてきた時は、一瞬、気を失いそうになった。 
 
私が入院して一夜を過ごした部屋は、救急車で運ばれてくる方々の緊急病棟、廊下を行き来されるドクターや看護婦さんの生々しい会話も入ってくる。携帯電話も禁止、酒タバコはもちろん厳禁。CT検査のために車椅子で運ばれた時は、本当に弱気になってしまっていた。

 手術の後、成功という結果に安堵し、退院手続き後、地元に詳しい方に進められ、健康ランドの温泉の個室で1時間ぐらいを過ごしたが、シャワーを浴びた時は、地獄からの生還のような気持ちを味わった。
 
しかし葬儀屋である。その後に訪問した協会メンバーの葬儀社で、その日の通夜の準備を行なっていたが、そこで小さな声で聞かされた現実の話には驚かされ、ご祭壇に思わず手を合わせることになった。

「この深夜に、お客様のご要望で、理事長さんが入院されている部屋の隣の部屋にご遺体をお迎えに参上したのです。その際、ちょっとだけお部屋を伺ったのですが、よくおやすみになっておられたようなので、そのまま寝台自動車で帰社いたしました」

 一方で、ホテルで同室していたメンバー達は、さすがに落ち着いた行動でフロントを通じて救急車の要請を行なってくれたが、「ホテルの近くではサイレンを鳴らさないように」との配慮、やはりプロ達らしい心配りに感じ入ったところである。

   ・・・・・生かされて・・・そして感謝
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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