2002-04-18

東京のホテルにて

今日は、昨日の疲れが出ている。

昨夜に楽しみにしていたマッサージさんも予約が一杯。残念ながら小さな缶ビールを飲み、寝ることにしたからである。
 
朝食の後、担当支配人さんに案内をいただき、ホテル内を見学、バンケットルームで、今日のスケジュールが入ってない部屋は、わざわざ照明を付けて確認させてくださった。
 
ホテル内には様々な光景が見られる。ブライダルの打ち合わせ風景、明るくて楽しそうな新郎新婦の衣装合わせ。また、プールで「日課」と伺った初老のご夫婦の「ゆとり時間」の過ごし方。人生、それぞれな「有為転変」の理を垣間見ることが出来る。
 
そんな素晴らしい会場設備空間で、私は「悲しみのサービス」のプロとして行動をしているが、ロビーや廊下で出会う人達は、そんなことをまったく感じておられることはないだろう。
 
ブライダル、祝賀会、歓送迎会、コンサート、パーティー、ディナーショーなど、人生を生きる謳歌を表現する場と認識されていたホテル。それが、法要の「御斎」だけではなく、「社葬」「偲ぶ会」「お別れ会」などの「葬送サービス」に積極的に取り組まれている。

 「縁起でもない」と、ご気分を悪くされる方も少なくないことも事実だが、私は、過日の「独り言」に記したように、そんなご意見を持たれる方には「あなたは不死身ですか?」と、問い質したい思いを抱いている。

お 釈迦様の悟りではないが、「生」を「享けた日」から、喜びの花を咲かせ、憂いの雨に打たれる紆余曲折の人生にあって、「四苦」や「諸行無常」の理(ことわ り)は必然のことであり、ホテルが「祝」の会場であると認識されたことは勝手な社会の思いで、人生の終焉が平等に訪れる人間社会にあって、ホテルに於ける 葬送サービス提供は、極めて自然のニーズ、「道理」であると考えている。
 
多くのホテルさんからのオファーで参上すると、すべてと言って いいほど、「ポスト・ブライダル」の発想や「社会ニーズ」の流行からの取り組みという言葉が登場するが、私は、これらのことを全部「否定」し、上述の説明 と共に、ホスピタリティを提供するホテル本来の姿という「原点」に気が付かれたと説得している。
 
孫が結婚披露宴をしたホテルで「わしの葬儀を頼む」というお言葉から、ご遺族に懇願されて通夜と葬儀を行なったこともあるが、参列者に伝えたこの事実の遺言は、偉く感動につながったので印象に残っている。
 
近い将来の問題ではなく、もう、ホテルでの「葬送サービス」は始まっており、今後、いよいよ大きな社会変化が始まるだろう。

敢えて失礼な言葉で表記するなら、「縁起でもない」とお考えになられる方は、「自分だけが幸せであればよい」という自己主義的な発想で、反社会的な思想だと言ったら過言となるだろうか。

 ご家族で「還暦パーティー」や「金婚式」を祝ったホテル会場、その思い出の場所で終焉の儀式が執り行われる。それも合理的でシンプル性が表現され、人生物語を皆様への「形見」としてお持ち帰りいただく「ホテル葬送サービス」。

私が具現化してきたこのサービス構築は、「慈曲葬」という日本で初めての「ブランド」として認知され、全国の一流ホテルで、その導入要望が始まってきている。

「口コミ」というものは想像以上の広がりを見せるものだ。「慈曲葬は、出来ますか?」との問い合わせを受けたホテルさん。すでにご体験をされたお客様のご満足を頂戴するには、大変なご苦労をされると思っています。

 今日の最終の「のぞみ」で帰阪しようか、それとも明日の午前中にしようかと迷っているが、明日は、ホテル業界に大変革を及ぼすことになるホテルさんからのオファーがあり、また、行動しなければならない。

時間と共に、体力の限界を感じるこの頃である。
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