2003-01-11

東京にて   NO 310

東京の郊外の一般道路を車で走った。車の数や渋滞は半端じゃない。大阪なんて足元にも及ばず、東京からすると大阪が完全な「ローカル」だと実感した。

 首都高速の「外環」の制限速度は、80キロ。なのに100キロや120キロで走行しているのが大半。制限速度での走行は流れに乗らず、絶対に危険である。

 関越道も走ってみたが、140キロや150キロでぶっ飛ばす車の多いこと。関西で中国道、西名阪を走行する雰囲気とは全く異なる感じ、「流れ」の速度が20キロはアップしている。

 それにしても車の性能が格段とよくなった。私が運転免許を取得した頃、最高速度性能は130キロ。それが今ではどうだろう。大型トラックでもその程度で走っているし、軽自動車が130や140キロで追い抜いて行くのを見る。

 車内の騒音遮断性能も格段と静かになり、タイヤの性能も見違えるように進化したこともあるだろうが、ハンドルを握る「人」が進歩していないと言えるかも知れない。

 大阪と比べて、東京は、マナーで数段優れているように思える。交差点での右左折車線の遵守は格段の差。車が多く所要時間が掛かることがあっても、関西のような精神的な疲れを感じないのは不思議。

 移動中にびっくりしたのは、道路工事の多さ。高速道路の車線の減少や一般道路の片側通行での渋滞の際、東京の人達は「諦め」のような悟りが自然に備わっているようで、譲り合う光景に人間文化として日本の首都らしい一面を垣間見たように思っている。

 そんな事情で訪問先に到着するのに随分遅くなったが、「東京は、大変でしょう?」という問いに、思わず「大阪の人間だったら切れてしまいますよ」と返してしまった。

 さて、今回の上京で、1時間だけだが娘と孫と昼食を共にすることが出来、久し振りに癒されることになった。

  幼い子供が目の前で食事をする光景。これほど平和で幸せなひとときを味わえることはないだろう。世界中で飢餓に苦しむ子供達のことが報道されているが、そ れらが愚かな戦争や馬鹿げた独裁者の為すことが原因としたら、来世に地獄が存在することを心底願い、「十王経」にある「閻魔大王」のこの世への出張を頼み たいとも思ってしまう。

 ここで、馬鹿爺振りを披露申し上げる。
 食事が済んで奥のレジでお金を支払い席に戻ってみると、孫がいない。
そこで店内を見渡すと、孫がレジの所へ行っていた。そして次の言葉が聞こえてきた。

 「美味しかったです。ご馳走様でした」
 
 レジの女性に何とも言えない表情が生まれる。周囲のテーブルにおられた10人ぐらいのお客さんもそうだった。

たったこれだけの言葉、そして不器用に頭を下げた姿に、「子供は天使」という言葉を思い浮かべた。

 「よい教育をしている」

 娘にそう伝えた時、娘は「サービス業のプロの孫ですからね」と返してきた。

 孫、3才1ヶ月。前回会った時より成長していた。神仏にただ感謝。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net