2002-08-16

子供連れ    NO 167

3歳に満たない孫を伴い、和食のレストランに入った。中は若い夫婦の子供連れが多く、びっくりするほど賑やかである。

 しかし、客同士が同じ条件にあるところから気にならず、お店のスタッフ達も子供への対応に慣れ、それは見事に対応している。

 そんな時、ふと、昨秋にドライブ旅行で立ち寄ったサービスエリアのことを思い出した。
 そこは、山陽自動車道から中国自動車道につながる岡山自動車にあった小さな食堂というようなレストラン。

 そこで、隣のテーブルで小さな子供が、味噌汁のお椀をひっくり返してしまう光景に出会った。

 若いお母さんがスタッフに恐縮の面持ちで謝罪をされるが、返すスタッフの言葉が素晴らしかった。

「子供さんが粗相をするのは当たり前です。それが仕事ですよ。気になさらないでください。よくソフトクリームを落とされることがあり、そんな時、全員が泣き出されるのですが、当店では、すぐに新しいソフトクリームをプレゼントするのです。見事に泣き止まれるのですよ」

 そんないい話の一方に、関東の観光地の蕎麦屋さんでは驚くことがあった。中に入って壁に大きく張られたメニューの横に、次のような掲示がされていたからだ。

「子を見れば親が解る。躾のされていないお子様、他人の迷惑になるようなお子様連れはご遠慮ください」

 それを目にした時、どうして外に掲示しておかないのだという疑問が生まれ、無性に腹が立ったし、次々にやって来る子供連れの親達が一瞬にして凍りつき、中には注文をする前に出て行く姿が何組もあった。

 店構えは立派だし、それだけの誇りを売り物にしているのだろうが、誇りは買いたいが驕りはいただけない。スタッフ達の無愛想な態度と言葉遣い。それは、間違いなく凋落の道を進んでいると確信した。

 一方で、外国の一流ホテルのレストランで体験した光景も忘れられない。我々は入り口に近い席に座っていたが、デザートの頃にやって来た2人の子供連れのお客さんで問題が発生した。

 恐らく兄弟だろうが、やんちゃ盛りで、席に着くなり物の投げ合いに奇声を発する。ホテルマンが笑顔でやさしく対応しているが効果はなく、若い両親らしき人物が止めても全く効き目のない状況。

 そんな時、隣席の男女が食事を中断されて立ち上がり、我々の後ろでホテルマンにクレームを言われ、「帰る。金は支払う」というところまでのやりとりがあった。

 英語の理解出来る人の話によると、ホテル側が一方的に謝罪をし、料金を受け取らないという解決をしたそうだが、その男女が抗議した言い分は次のようなことだった。

「環境を大切にするなら、あの客を断るべきであり、それが君達の仕事ではないか。ここは、街のレストランとは違う筈。君達スタッフの責任だ」

 幼い子供を連れての食事。これは、本当に大変な苦労がある。でも、みんな、子供時代があったことだけは忘れないようにしたいものだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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