2004-02-16

『はこだて』   NO 703

早朝に目が覚め、ホテル内の朝風呂に出掛ける。適温の温泉に腰痛の身を委ねると、時間が止まっているような思いがする。

 そんな時、ふと見ると北海道支局長の姿があった。「おはよう」の挨拶を交わした二人は腰痛仲間、昨日の式場でディレクターを総括いただいた人物。彼は、我が協会の「気配り・心配り」の「匠」として誰もが認める苫小牧・室蘭市民斎場の藤井専務である。

 決められた時間に朝食を済ませ、ミュージック・プロデューサーを千歳空港まで送ったが、3日間、車の提供と運転を担当してくださったのは沖本社長。

彼の会社の名司会者である長岡氏は、急な仕事で暗い内に苫小牧に戻られたが、朝食抜きが何ともお気の毒。

 さて、藤井氏と私は、苫小牧駅から特急スーパー北斗に乗り、函館に向かった。

見送ってくれたのは沖本社長と九州の落合葬儀社の落合克哉君。この二人は、それぞれが自社のHPでコラムを発信する仲間でもあるが、「僕達も行きたい」という表情を感じた。

 函館までは、約2時間半。互いの腰痛を考慮し、贅沢だがグリーン車。そんな車中で彼が何度もデッキに出掛ける。申し訳ないほど次々に携帯電話がブルブル。それは、彼の立場を物語る現状だろうが、それを超越されて函館に行った目的があった。

 今、「知る人ぞ知る」というHPがある。それは、コラム「迷いの窓」が話題を呼んでいる「空飛ぶ水冠」。その発信者の女性が函館にいるからだ。

 列車は、定刻に函館駅に。改札を出ると迎えの車が用意されていた。それは、彼が手配をしてくれたものだが、その運転を担当してくれたのが懐かしいAさん。久し振りの再会、車中は昔話で盛り上がる。

 そうそう、「水冠」の彼女だが、もちろん車中におられる。えにしというものは不思議なもの。知らない同士なのに、お二人が偶然に並んで改札口におられたのである。

  めもりあるグループの会社でしばらくの時間を過ごさせていただき、函館の海が一望出来るホテルのレストランにご一緒する。ホテル側の配慮で静かな一室で4 人が語り合う。それは、優雅で上質な時間の流れ。憧れの女性のお話には、やはりコラムの感性がそのまま。「香」の話題は彼女ならではのものだった。

 「そろそろ」、その言葉が現実に戻らせた。時計を見ると空港へ行かなければならない時間。函館空港の出発ゲートまで見送ってくださったが、後ろ髪を引かれる思い。再会を楽しみに機上となった。

 関西空港から「はるか」で帰ってきたが、自宅に着くと同時に社員から電話があった。

 昨日、火災で亡くなられた方があったそうで、お気の毒な葬儀があると言う。それは、葬送の仕事の現実に引き戻された瞬間でもあった。

 結びなるが、めもりあるグループにお邪魔した際、八ツ橋さんという素晴らしい女性にお会いした。突然の訪問で申し訳なかったが、上品なお仕種が印象的で再会したい人になった。そして、何度もお茶を出してくださった可愛い女性の笑顔も素敵だった。

 「函館」、その文字と言葉の響きが素晴らしい思い出となった。有り難う。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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