2004-02-13

明日の天気は雪マーク   NO 700

朝から鼻がグスグス、飛行機を降り鹿児島に着いてひどくなった。

 <風邪かな?>と思ったら、そうではなく、どうやら花粉症。鹿児島の「菜の花」が例年より早い様子、山の木々の花粉飛来も早くやって来たみたい。

 2泊の予定が1泊になってしまった鹿児島、せっかく来たのだから<あそこには>と思っていたことを決行する。

 レンタカーで南に向かい、目指すは指宿。プロ野球の大投手だった金田正一さんが名誉館長になっておられる「砂むし会館『砂楽』」。

約70キロを走行したが、到着したら営業時間の締め切りを少しオーバー。フロントでタッチアウトという宣告だった。

 「白なみの 下に熱沙の隠さるる 不思議に逢へり 揖宿に来て」と詠んだ与謝野晶子さんの詩だけでUターンは勿体ない。そのあたりは情報入手もきっちり。指宿いわさきホテルでの宿泊予約もしてあった。

 このホテル、午後10時半まで砂風呂がある。部屋に荷物を置いてすぐに行く。

 受付フロントで1050円の入浴料を支払ってロッカールームに向かう。掲示されている案内を読むと次のように書いてある。

 『砂の重みと温泉の熱で身体の末端まで血液の流れが促進され、悪い物質が押し流され、血液が浄化されることが効能の最大の秘密です』

 そのメカニズムとして、「あおむけに寝て入るために血液の循環がスムーズ」「全身にかかる砂の圧力が身体の末端まで血液を押し出す」「50度の高温が心肺機能を高め血液の全身環流を促進」の3つがポイントとして挙げられていた。

 明日は、早朝にホテルを出発しなければならない。札幌行きの便に間に合わなかったら大変。<腰痛よ、治まってくれ>との思いを託して砂を掛けていただく。

 10人ぐらいの先客の会話が耳に入る。「腰が気持ちいいね」「ふくらはぎとお尻が熱いわ」「極楽ね」

 中にはメカニズムの解説をされている御仁もおられたが、「最低15分は我慢しないと」と言われたのに10分で飛び出された様が面白い。

 掛けられた砂の重みが背面を熱くさせる。確かにふくらはぎとヒップが敏感。何度か体勢を捩ったが、腰が最高に気持ちいい。これは、おそらくここだけの世界だろう。

 やがて限界を迎え、砂を飛び出し、波が打ち寄せる浜辺の露天風呂に入る。砂に塗れた浴衣のままだが、そこは混浴の世界。中年女性の二人の会話に耳を傾ける。

 「星空が美しいわね。北斗七星だわ」

 それは関東方面のアクセントだったが、その言葉で現実に引き戻される。明日は、酷寒の北国。春はまだまだ遠いようだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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