2012-05-04

おかしな潮流  NO 2919


 今日の毎日新聞朝刊16面に「脳トレ川柳」が掲載されていたが、思わず「うまい」と拍手を贈りたくなったので紹介を。

『生き様が逝き様になる本当か』
『目は一重あごは二重で腹は三重』
『ドアチャイム「ピンポン』卓球便が来る』

 周囲に川柳を趣味にしている人がいるし、ライオンズクラブで家族会の会食をした際、川柳投稿を審査する立場を体験したことがあったが、メンバーそれぞれが創作された内容の高度なレベルに驚き、新聞の投稿欄をいつも読んでいる人が多いことを知った。

 社会面では関越道でのバス事故のことが連日報じられているが、記事によると、ツアーの募集会社が17万円で発注し、そこからバス会社までの間に2社の代理店が存在し、バス会社が15万円で請け負ったということに衝撃を受けた。

 またチケット販売に関係した楽天トラベルが「ご乗車はいかがでしたか?」とのアンケートメールを送信していたそうだが、受信を確認された被害者のご遺族の思いを拝察すると、怒り心頭というレベルではなく、ただ呆れ返るばかりだったことだろう。

 マニュアルばかりで運営していると「人」の知恵というものが欠如し、こんな馬鹿げた信じられない愚行が起きるのだが、如何にもビジネス優先主義の楽天らしいとも言えるだろう。

 バスの代理店のピンハネビジネスにも驚いたが、我が業界にもこんな発想をするビジネスが展開され、大手スーパーややコンビニが下請け葬儀社との契約に積極的に動いているし、ネット社会では堂々と宣伝しているのだから恥ずかしい限りである。

  何度も書いたが、葬儀という世界にあってピンハネ紹介ビジネスとは罰当たりな考え方。下請けの中に悪質業者があっても地域を網羅することを優先する姿勢か ら隙間が生じる。それは、バス事故の防音壁の隙間と同じような事故につながる危険性があり、泣かされるのは知らずに依頼されたお客様だろう。

  回転寿司が流行しているが、広い敷地なのに閉店してしまった店舗を多く見掛ける。それらは競合する同業他社の戦略に敗れたのかもしれないが、一方にネット 社会を利用した紹介ビジネスが次々に登場している。寿司屋さん業界にも出現し、受注だけして契約する寿司屋さんから配達させるシステムだが、ピンハネの分 が消費者側負担になるのは常識の世界。愚かな一部の寿司屋さん達が契約の道を選択するかもしれないが、こんなシステムと契約する寿司屋さんに本物はいない と考えている。

 友人の奥さんと会った。彼女の家の近くに大手グループが経営する回転寿司があり、我が夫婦が散歩に出掛けた際に話の種に 利用したが、二度と入らないという酷いレベルだった。今、その店は開店休業みたいに閑古鳥という状況らしく、彼女は近所の人達と「近い将来に閉店するで しょう」と話していると言っていた。

 低価格は歓迎だが、品質が落ちたら必ず崩壊の道を辿る。物事には限度という「結界」みたいな世界があり、それを間違ったら「決壊」するのは当たり前。過日のバス事故や格安航空会社の現実にも寒々しい思いを抱く。

  社会はゴールデンウイークの真っ只中。あちこちの高速道路で渋滞というニュースがあったが、どうにも解せないのが観光地の旅館の宿泊費。G・Wや正月は通 常の2倍以上が当たり前になっているが、売り手市場と買い手市場の言葉が存在しても、この現実には強い抵抗感を覚えてしまう。いつも買っている「商品」が 急に倍の価格になったらどうなるのだろう。

「商品」と「宿泊費」は根本的に異なるとの考え方もあろうが、同じ部屋、同じ料理、同じサービ ス提供で倍になるとは不思議な話。それらは常識のように休日の前日にも適用されているが、誰がこんなことを了解したのだろうか。だからこんなシーズンには 絶対に出掛けないようにしている。

 結びに今日は「金曜日」で「幸せ列車」のメールマガジンの配信日。第14号は「戦争って」と題し、戦友達の遺骨を捜し求めてアジア各国を歴訪される晩年を過ごされた方のことを書いている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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