2012-04-13

ニュースを見ながら  NO 2899


  被害者には突然「遺族」と呼ばれる悲しい「家族」の存在があるが、加害者側に家族の存在があって何とも言えない心情に駆られる。仮に持病からとしても、車 は走る凶器と化す危険性のあるもの、故に加害者にならないように行動するのは当たり前。酒気帯び運転が人間失格と言うのは、それが確信犯であるからだ。

  親が子供の起こした事件や事故で衝撃の心情になるのは悲しいこと。「この世」に誕生していなかったらこんなことになっていなかったのに、と後悔しても始ま らないが、そんな辛い思いをしている人達がいっぱい存在しているのも現実で、服役している人達それぞれに家族が存在している事実も知っておきたいところ。

  企業年金で多くの弱者を泣かせる問題が表面化した「AIJ」事件だが、そのトップの人物がこの世に誕生していなければ被害者が出ていなかっただろうし、過 去の村上ファンド事件の首謀者がこの世に生まれていなかったら、阪神と阪急が合併することは絶対になかったような気がする。

 息子が東大 に入って喜び、次に企業を立ち上げて発展を遂げたので喜んでいたら、犯罪が表面化して起訴され、服役という究極の親不孝に至った人物もいたが、塀の中から 出版をし、その書評者が「反省なんて全く感じられない」と書いていたので信じられなかったが、少なくとも大変な親不孝をしたことだけは自覚するべきだろ う。

 オレオレ詐欺も流行したが、あのお笑いみたいな「円天」事件の被害者が新たなターゲットになって被害が出ているというニュースもあった。被害者名簿が取引されているみたいで、高齢者が狙われているようだ。

  過去に「幸せですか?」と問い掛け、足裏診断をしていたややこしい教祖も存在していたが、客観的に見れば誰もが「変」と気付くようなレベルだった筈。しか し、心に傷を持つような弱者は信じて奥深く入り込んでしまい、気が付けば取り返しの付かない被害者になってしまうのが世の常である。

 ややこしい宗教紛いな組織団体はいっぱい存在している。人の心身に病がなくならない限り、それらは永遠に続くものだし、全ての人が被害者予備軍という考え方もあるだろう。

 今日「金曜日」は、「幸せ列車」発行のメールマガジン送信日。第11号は「葬儀社スタッフの玄関」というタイトル。新人が初めて責任者となって担当した葬儀で学んだことを書いてある。

 葬儀という仕事で重視しなければならないことは「謙虚」と「礼節」ということで、ホテルマン以上の資質が求められるプロの仕事だと自負している。

昨 日4月12日は「パンの日」だったそうで、大阪の高級ホテルがベーカリーをオープンしたニュースもあった。ホテル業界もお客さんへの対応に苦慮する現実も 起きている。食事体験、宿泊体験などの感想が、チェックインしてすぐにブログなどで発信されてしまうからだ。玄関を入って部屋に入るまでに如何に好印象を 与えるかも重要みたいで、様々なホテルが試行錯誤を繰り返している。

 最寄り駅からワンメーターで来るホテルだが、一万円札を出すお客さ んのケースでは、ドアマンが瞬時に運転者さんに両替をするところもある。これは、運転手さんも喜ぶが、後方の渋滞の問題解消にもつながるし、そのやりとり を見られたお客さんの高評価にもつながるサービスとなる。

 玄関にタクシーが到着し、中からピンクのかわいいリボンを結んだ女の子が降りてきた。支払いをするお母さんが「**ちゃん、危ないからそこで待っていなさい」と声を掛けている。それを耳にしたドアマンがインカムでフロントに連絡をしている。「今お着きの
ピンクのリボンの女の子のお名前は**ちゃんです」と。

  やがてチェックインにフロントへ来られたお母さん。スタッフから「**ちゃん、いらっしゃいませ」と声を掛けられてお菓子を貰ったらどうだろう。それだけ ではない、「**ちゃん」の名前は、すでに全スタッフに流されている。仮に廊下で会ったスタッフからでも「**ちゃん」と呼ばれるだろう。

 そんなサービスを徹底的に発想するのがホテルサービスの一部だが、過去に多くのホテルのスタッフ教育を担当した歴史があるが、私のような葬儀屋の変なオヤジの話を、10分ほど聞いたら彼らの表情が激減して真剣になるのが面白かった。

総支配人の紹介に続いて演台に立ったら「なんで葬儀屋のオヤジの話を?」という抵抗感が滲み出る雰囲気に包まれている。そこで初めに次の言葉を発していた。

「あなた達は一流ホテルのホテルマンです。ホテルマンは究極のサービス業であると言われていますが、ここから感じる皆さんにはそのサービス精神が欠如しています。変なオヤジに気分よく話させてやろうという空気を全く感じないからです」

それで彼らに怒りの表情を感じることになるが、しばらくするとメモを始める人が見られるので楽しかったし、終わってから別室で「第二部」を依頼されて2時間も喋ったこともあった。

 テレビで東京の一流ホテルで過日に発生した食中毒のニュースが流れた。レストランやバンケット部門にあって最も恐れる事態の発生である。どんなに神経を遣っていても、目に見えない菌によって起きてしまう。そこは「食」に関する世界の泣き所かもしれない。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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