2012-03-02

バスに揺られて  NO 2859


 今日は「幸せ列車」のメールマガジン送信の日。第5号は、実際に体験した「送られたくない権利」と「送りたい権利」の軋轢問題。それは、現在に潮流となっている「家族葬」の裏側でよく発生している問題だが、随分と昔からあったのである。

  話を変えるが、数年前、阿倍野区にある大阪市立「天空館」で行われていた無宗教葬儀の前夜式、大半の弔問者が帰られ、祭壇横にあった司会台で片付けをして いる時、入り口から入られてメモリアルボードの前で写真を見られる一人の人物が目に留まった。著名な芸能人で、故人と深いご交流があった。

 しばらくすると、彼は、弊社の女性スタッフと会話を交わし、じっと私の方を見つめている。どうやら私のことを話題にしているみたいだった。

  用意されてあった献花を済ませると、私に向かって一礼をされ、複雑そうな表情を見せられて帰られたが、その後、会話をしていたスタッフが私のところへやっ て来て、「あの方を叱られたことがあるのですか?あの司会台のところにいる人は怖い人だ。叱られたことがあるので忘れられない人だ」と言ったそうで、それ が本当なのかと聴かれた。

 それは、確かな出来事だった。ある生放送のテレビ番組で、著名な芸能人6人と「葬儀」の話題をテーマに対談するゲストに招かれていたのだが、CMタイムの時、彼が「私は葬儀無用論者だ。誰にも送られたくない」と発言したので「間違っている!」と叱責したことがあった。

「あ なたは芸能人さんではないか。多くのファンがあなたを見守り応援してくださったから今日がある筈。それを『この世』から一方通行で『さようなら』をするな んておかしい。送りたい権利をどうするのですか?」と詰問した訳だが、彼は、まさかそんなことを言われるとは想像もしていなかったみたいで、表情が固ま り、他の出演者全員が私の意見に賛同され、「ええ勉強になりました」と返され、続いて本番の放送に入った。

上記は「幸せ列車」のメールマガジンの内容とは別の出来事だが、彼も私も忘れられない思い出となっており、その後のテレビ番組で再会した時、「あれから考え方を180度変えましたから」と笑っていたのが印象に残っている。

  さて、所用があって遠方まで出掛けてきた。新快速で目的の駅に降り、そこから乗った路線バス。昭和30年に発表された中村メイコさんの「田舎のバス」の歌 詞を髣髴させるような体験。現在の体調からするとタクシーよりバスの方がと考えて利用したのだが、乗車時間が片道45分とはずっと苦痛の連続だった。

 相も変わらず新快速は飛ばし過ぎ。10キロダウンさせるだけできっと安全度が増すと考えてしまう。「狭軌」の線路幅でのあんな高速運転は、まさに「狂気」の沙汰で、線路を走る「凶器」となる危険性があるだろう。

 帰路の新快速は12両も連結されていたが、多くの人が立っている状況。スピードによる時間の短縮の裏側には、いつも危険が存在していると考えたいもの。

  臆病な性格であるところから、いつも最悪のシナリオというような変なことを考えてしまうので始末が悪い。新幹線の「のぞみ」や「みずほ」に乗ると、通過す る駅に停車している「ひかり」や「こだま」に追突しないだろうか?線路のポイント操作で人的ミスが起きていないのだろうか?と思うし、高速道路を走行する バスに乗ると、前輪がパンクしないだろうか?なんて想像するので困ってしまう。

 しかし、考えてほしいことがある。過去に利用した多くの交通機関。その運転士さん達が、心筋梗塞や脳出血という突発的な疾病に遭遇しなかったから今日の存在があることになる。ゆえに、今日あるということは物凄くラッキーなのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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