2005-10-02
裏面の配慮? NO 1288
スタッフ達が未明から走り回っている。居眠り運転をしないように祈りながら早めに出勤、本日の予定の仕事を順に進めた。
その間に定例の会議もあったが、帰社後の表情に睡眠不足がありありと見えて気の毒。「ちょっと和室で横になれよ」と上司の言葉。そんな時、また飛び出さなければならない電話があって出掛けて行った。
まだまだ他人任せや業者任せが大半という葬儀の世界だが、弊社にご依頼くださるお客様は、ご家族で真剣に考えられて選んでくださったパーセンテージが高 く、それだけ懸命にお返しをしなければならない責務がある。担当責任者から制作担当まで、堅固なチームワークで結ばれたサービス提供を行いたいもの。
中には「最後の親孝行だから」とおっしゃるご家族もあり、他社とは緊張の度合いが全く異なると言っても過言ではないだろう。
「ご仏縁を大切に」と命じてあるスタッフ達、福祉の葬儀から大規模なホテル社葬まで担当する中、ホスピタリティ・サービスのハートに格差はなく、そこに「合掌の心」が根付いていると信じている。
葬儀を終えてから「やはりして差し上げるべきだった」と後悔をしたくないのがプロのサービス、それが費用を要することであっても私に「何とか」と提案してくる姿勢こそが弊社のスタッフ。
スタッフ権限「2000ドル」というリッツ・カールトンではないが、そんな配慮の出来る社員が「人<財>」だろう。
ご主人を亡くされた奥様が、ふとおっしゃられたひとことにも大きなヒントがある。
「6年前ね、主人の還暦記念で長崎に行ったの。その時に泊まった旅館で出されたお菓子が気に入ってね、孫の土産にいっぱい買ってきたことがあるの」
そこからさりげなく旅館名をお聞きし、旅館に事情を説明して宅配で送って貰ってお喜びいただいたこともあるが、その時の雲仙の旅館の対応が素晴らしく「こんな協力が出来て当館も嬉しいです」と添付されたメッセージが印象に残っている。
最近は焼酎ブーム、幻の銘柄で手配に困ったこともあったが、これも事情を説明すると即対応くださり、やはり故人にプレゼントするという行為は誰でもあたたかい心が伝わるものである。
そんな秘められたサービスエピソードが多くあるが、これらはインターネットの登場によって情報入手が随分楽になった。10年前なら大変だったことが、今は瞬時に方法が発見できる。
昔、大阪駅の地下に社員に買いに行かせたことが何度もあった。全国の土産品が販売されていたからだが、1回だけ間違った品物を買ってきた失敗も懐かしい。
それは確か岡山県の産物だったと記憶している。桃にゆかりある和菓子の銘柄が違っており、「迷ったなら3種類ぐらい買ってくるのが常識だろう」と説教したことを覚えている。
女性が亡くなられた場合のお化粧も大切、化粧品のメーカーの限定や口紅の色まで神経を遣う。そんな場合のために様々な化粧品を携行する女性スタッフ達、ご 遺族のご要望を伺いながらご一緒に美粧術を施すには技術が必要、全国各地で学んできたノウハウが見事に役立つ体勢も完成している。
サービスには限界はない、しかしご遺族と我々両社に心残りが生まれるのは最低のこと。明日も明後日も、そんなサービスが提供できることを願っている。