2002-03-11

新幹線車中にて・・余韻

今日は、これまでと違って長くなります。ご海容くださいますよう。

この原稿は、新幹線の車中で打っている。今、弊社が加盟する日本トータライフ協会<春季総会・東京研修会>の帰路にある。

「の ぞみ」は、もうすぐ新横浜駅。名古屋に着くまでにこの原稿が書き上がるだろうか、絶対に無理かも知れない。なぜなら、パソコンで取り敢えず協会の掲示板を 開いてみたが、そこには参加されたメンバー達から寄せられた感動、涙、衝撃の文字がいっぱい。文章を追いながら<うるうる>くる自身の目が行間を誤ってし まう。通路を行き来されるパーサー達の目を気にしながらうつむき気味でパソコンに向かっている。左後方のお客さんの視線も感じる。スリーピースの私の姿を 見られて、葬儀の帰りか、大切な知人の見舞いでの帰りであるとの推測をされておられるのかも知れません。

ふと遠くを見ると右前方に夕日がまぶしく輝き、帰阪してからの責務の重さを再認識しながら新たな誓いを立てる。

総会終了前に行われた「感謝状授与」と「人間学研修終了証」の授与式、私はこれまで抱いていた「夢」が現実の「かたち」となったことを確認し、感涙してしまった。
悲しみの葬儀でご遺族と共に流す涙の体験は数多くあるが、こんな思いの涙を流したのは何年振りだろうか。

そ れにしても流石に日本の首都、東京である。国分寺市の井口葬儀店と世田谷区の杉田フューネスが実践される葬儀、それはまさに衝撃的な体感であり、全国から 集まったメンバー全員が感謝のメッセージを伝えていたが、最高の衝撃となった私自身、まだまだ勉強が足りないことを実感する二日間ともなった。

「会 場となった新宿のホテルの音響設備レベルが低い」「全国からプロ達が集まる」、そんな思いでわざわざ井口葬儀店スタッフが運んでくれた自社所有の高音質音 響システム、それはホテルのプロスタッフまでも驚かせることになったが、何より参加者一人一人に異なったラッピングが施された「本のプレゼントとメッセー ジ」、ご遺族が少しでも「癒されたら」「慰めることができたらいいのに」そんなホスピタリティサービス精神を充分に感じさせられたことを正直に吐露すると 共に、こんな葬儀社に送られる故人を羨ましくさえ思えられてきた次第である。

次の日、日本の最高位に君臨されている「杉田フューネスの式場<シオン>」での感動の葬儀や、様々なアフターケアに対する衝撃的な感動は、参加されたメンバー達にしか理解出来ない世界であった。

ご 主人を亡くされたお若い奥様と幼いお子様二人の3人だけが<ポツン>と式場に座っておられる。それは、葬儀を終えられてから2週間後のセレモニーだった。 杉田社長の奥様の朗読風メッセージが始まる。故人のお名前で国際登録された「星名登録証」が、奉呈式としてプレゼントされる光景だ。

悲し みにくれる若いお母様へ贈られる温かい言葉、父を亡くされた子供たちへの愛情あふれるメッセージ。「悲しみが襲ってきたら、このシオンにいつでも来てくだ さい。私やお葬式をお手伝いしたお姉さん達と一緒にお父様のことをお話しましょうね。お父様はお星様になって、空から見守ってくださるのよ」

それは、夢やロマンやメルヘンという簡単な言葉で表現したくない「真実の人間愛」の世界だった。
そんな実践を目の当たりにして、全国から集まった葬儀のプロ達が全員泣いてしまった。「こんな葬儀社が存在しているんだ」。それは「癒し」と「愛」の団体「日本トータライフ協会」の間違いない象徴的存在の認識ともなった。

それにしても協会メンバー達の感性のパワーには驚かされる。こんなメンバー達を牽引していくだけの実力が、果たして私にあるのだろうか、自信をなくしてしまったことも事実である。

昨年の12月から始まった毎日新聞さんの「葬式問題特別取材班」による報道。読者からの反響によるメールや資料提供の数量は、恐らく想像以上に寄せられているだろう。

火 葬場での心付け問題、大手互助会さんのお布施のキックバック問題、司法解剖に関する病院と葬儀社との問題。また、互助会さんの解約トラブルを大きく掲載さ れた朝日新聞さんの記事、これらは、業界の恥部、暗部の社会提議であり、今、葬祭業界はてんやわんやの状況を迎えているが、これらの問題が数分の議題にし か上らなかった協会の総会審議の結果。それらはメンバー各社の誇りあるプロの抱く共有理念の結果だという確信の「証」あるあるように思えてならないところ だ。
業界が「致命的」危機感を迎えている社会状況にある昨今にあって、「協会加盟の誇りを感じています」と書き込みをされた神戸市のメンバーさん、これは嬉しいお言葉でした。
小さな蕾が花を見事に咲かせた。春を待ち焦がれていた小鳥や植物の思いと同様かも知れない思いを抱いていますが、窓をたたく雨脚の音に気付き、外の景色に目やると「のぞみ」は米原駅の少し手前を走行していた。

目前の利益を求められた元メンバーさん達数社が、この協会から自然に離れていかれましたが、だからこそ本物の結集に到達したのかも知れません。

結びになりますが、協会のコーディネイトとアドバイザーとしてご指導をくださった藤原先生の御存在。「愛とやさしさは絶対に強いものです」「それが協会の存在価値です」と教えてくださった日のことが、今、やっと理解できました。
この体感できた素晴らしい世界。今後の皆様の各地での実践を願っています。
四国でのIT研修会。7月の北海道研修会、そして11月の大阪研修会。今、大いに燃えながら、それぞれの地の幹事が気を引き締めている筈です。
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