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2002-12-11

ラテンのプロ    NO 280

知人から電話があった。「近くに来ているから、軽く食事でも」と誘われ、すぐ近所の友人の喫茶店に行った。

 彼は、私より数歳年上。京都大学に在学中、アメフトのキャプテンをしていたスポーツマン。知り合ってから様々な無理を願ってきたが、それらをすべて応えてくれた素晴らしい人物である。

 彼は、若かりし頃、トリオ・ロス・パンチョスとの出逢いに衝撃を受け、やがてラテン音楽の世界に進み、メキシコ、ブラジルなど南米での生活を過ごし、ギターの弾き語りの世界ではちょっとした有名人物。

 2年ほど前、彼にとんでもないことを頼んだことがあった。私がプロデュースをしたホテル葬「慈曲葬」のシミュレーションへの出演で、彼のキャスティングは、故人の友人。

 故人が彼のファンであり、彼が祭壇の前で献奏曲を歌うという設定で、その時に彼が歌ったのは懐かしいテレビドラマ「7人の刑事」のハミングで有名な主題曲。彼が実際にその吹き込み当事者であったから選曲した。

 続いて彼のCDから1曲を選んだ。彼の作曲「コーヒーのある情景」、その曲をなぜ歌うかというシナリオを構成。この曲の参列者の評価は高く、CDを買いたいというお声が多かった。

 さて、この場面が多くのテレビで放送されることになってしまい、NHKの全国放送でも放映された。

 それは、全国で見ていた彼を知る人達を驚かせることになった。「どうして、あんな場面に登場しているのだ」という電話の問い合わせが、彼の家に殺到してしまった。

 そんな彼。数日前に会った時、持参していたMDを聴かせてくれた。
ラテンの本場のミュージシャンをバックに歌っているスタンダードナンバーの数々。間もなくCDとして発売されるそうだが、本物のラテン歌手という誇りを抱いている彼。

やはり、外国に長くいたことから発音が本物。素晴らしいレコーディングを耳にしながら優雅なひとときを過ごすことになった。

 彼のペンネームは「西川 慶」さん。これからも永く交友関係を続けることになるだろうが、会う度に互い身体を心配し合う年代。どうも最近は、毎日発声練習をしている彼の方が若く見えるようになってきたようだ。

 そんな彼とクラブに飲みに行った時の出来事。酒の世界では絶対に歌わないと言い切っていた彼が、ベサメムーチョを歌ってくれたことがあった。

  なぜ歌ったのかという理由は、ママさんが彼のことを知っていたこと。懇願されてそうなったのだが、ピアノ伴奏でも歌唱力はまさにプロ。20数人来ておられ たお客さんが一瞬にして静まり返り、終わった後は「さすがにプロだ」と万雷の拍手。アンコールとなって収拾がつかないようになってしまった。

 そして、1曲だけということになり、歌ったのが意外な曲で「慕情」。
後でその選曲を訊ねてみると、「1番可愛い女性のリクエストに応えた」と打ち明けてくれた。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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