2005-03-24
逝かれし人へ NO 1105
私が担当するご葬儀、朝からネットで天気予報を確認しながら心配だった。
「低気圧接近、西日本荒れ模様、夕方から東日本も」なんて情報。<何時頃から雨が?>と思いながら、何より大嫌いな強風を恐れていた。
ちょっと早めに式場に向かったが、途中の道路が工事で通行止め。お陰で2倍以上も遠回り。おまけに渋滞する幹線道路でヒヤッとした。
式場に着いてすぐに確認したのが傘。会葬予定人数分が用意されているのを確認してホッとした。
ご遺族のお一人がNHKの方、その関係の弔電が多いが、ふと最近話題の問題が頭の中を過ぎる。
式場内に0歳児がお母さんに抱かれている。故人の初曾孫さんだが、気持ち良さそうにスヤスヤ。私も曾孫の顔を見ることが出来れば幸せだな?と思いながらマイクを握った。
ご当家担当責任者は女性スタッフ、そんなところから彼女がナレーションを担当する部分を追加。途中で昨夜に導師がおっしゃられたお言葉の部分を私が担当、めったにやらない特別バージョンで進めることに。
その彼女から考えさせられる報告があった。それは、ご納棺に関すること。娘さん達がお着物を着せ替えられ、お孫さん達が足袋を担当されたそう。そこから彼 女が有する特殊な美粧術を「施す」ことになったのだが、お一人の方の「あまりにもきれい過ぎる」というご意見を耳に、今日の朝からちょっと手直し化粧を進 めてきたそうだ。
「施す」が「程超す」となったような事件だが、大半の方が「きれい」を歓迎されていたので安堵した。
心配していた雨、ご出棺と同時に落ちてきた。お見送り申し上げ、次の目的地に行くのに歩いて商店街を通ったが、途中で「ええタイミングや」とお声を掛けら れた。ご用件は、この商店街の総会について。弊社の空間を会場として提供して欲しいということ。大歓迎ですと申し上げ、すぐに企画室スタッフに伝えておい た。
生野区には多くの商店街があるが「生野本通り」は非常に長い商店街、途中で5つの振興組合に分かれている。他の役員さんからも総会の会場要望が入っているが、そのすべてを承ろうと思っている。
会社に戻ると玄関前にガードマンが立ち、歩道の工事が行われている。過日に水道管のひび割れが見つかったそうで修復作業だった。
隠れ家に入ると同時に電話があった。昨日に書いた社員のお母さんが亡くなられたとのこと。ご本人が喜ばれる葬送の形式をしっかりと考えなさいとアドバイス、社内にいたスタッフに報告するとみんな悲痛の表情、電話があれば何でも協力をするように命じておいた。
明日は遠来のお客様がある。明後日はコンサートと、スケジュールのクリアも大変だ。桜前線が近付いてくるように、季節と時間がどんどん流れてくる。時間は誰にも平等という言葉を思い出しながら、誰よりも知る筈の「命の儚さ」を再認識させられた今日だった。