2018-06-02

10年前の考え方  NO 8216

関西空港にて撮影随分昔に「お葬式はハプニングに乗って」という小説を世に出したことがあった。すぐに新聞で採り上げられた所から書店にあった全てが売り切れになり、増刷許可を出版社から求められたが、売る目的で書いたものではなかったので許可しなかった。

出版社の担当者が「勿体ない」と何度も説得に来られたが、頑なに固辞していたら諦められた。

我々葬儀社にとってハプニングはつきもので、ハプニングをハプニングでないように対処することがプロの仕事と書いたことがあるが、過去に「これまでに最高と思われる仕事は?」と質問されて、「明日の仕事」とカッコよく答えたら驚かれたが、それはその昔に何かの書物を繙いた時に心に残ったフレーズで、逸れこそプロの哲学の基本となることだろう。

組合の会合に出席されていた同業者の番頭さんから信じられない体験談を聞いてびっくりしたことがあった。

葬儀の依頼電話でご当家に参上し、「ご遺体は?」伺ったら「2階です」と教えられ、失礼しますと階段を上がって2階の部屋に行ったら、そこには白髪の高齢者の方が布団に寝ておられ、枕元に中陰飾りをして蝋燭と線香を添加して階下に戻ったそうだが、しばらくして2階に行かれたご家族の方が血相を変えられて降りて来られ、「亡くなった父は奥の部屋です。準備して貰ったのは母の方でまだ生きています」と言われて驚かれた出来事だった。

幸いに叱責されることもなく笑い話で済んだハプニングとなったそうだが、故人と間違わられたお母さんはそれから10年も存命され、お母さんの葬儀を担当された際に「間違ったお陰かも」と話題になったと聞いた。

ここからは「10年前の独り言」から転載を。

時の変化に?  NO 2215   2008-06-01

過日に出掛けた九州での講演のテーマは「宗教の危機は我が業界の危機」というものであった。全国的に葬儀に対するニーズが激変してきており、その善悪を別 として、30年ほど前には予想もしなかった社会を迎え、核家族と厳しい高齢社会の到来が拍車をかける顕著な現実を迎えている。

世の中が便利になるのは大歓迎、しかし葬儀のありかただけは「変わって欲しくない」という本音を抱かれる宗教者と葬儀社の経営者も多いようだが、社会にニーズの変革要望への歯止めは難しく、個性化、多様化の傾向はますますパワーアップの様相を増してくるだろう。

そんな中、新聞社のアンケート調査の結果が発表され、宗教の存在に対する信仰のパーセンテージは30パーセントと衝撃的な数字で、霊魂の存在の有無感や「来世」が何らかのかたちであるのではと考えられているパーセンテージも信じられないほど低く、殺人などが増える現実の背景に「来世の存在」なんて意識していないという現実が寒々しく感じる世の中という昨今である。

高齢者を冷遇する医療や年金などの社会保障制度の現実も悲しく、「厄年75歳を加えろ!」という厳しいご意見も新聞記事の中にあり、内心「言い得ている」と共感を覚えた最近だった。

法事は、集まりやすい日曜日に重なることも自然の流れのようだし、葬儀当日に「初七日法要」を行うことも当たり前のようになってしまった最近だが、それらが、すべて「送った側の勝手な事情」から進められており、ある意味、横着な行動であることも忘れないで欲しいが、もう、そんな既成事実が完全に市民権を得てしまったような時代突入も感じている。

1世紀を迎えてからの葬儀に置ける三大変化と考えられるのは、「無宗教形式」の増加と「偲ぶ会やお別れの会などホテル葬」の増加、そして「家族葬」の流行があるだろうが、その全てが宗教者側の立場にあっては離れてしまっている感を否めないし、それらがますます強くなるような気がしている方々は少なくない筈だ。

お通夜と葬儀の参列者数の逆転はいよいよ差が広がる一方だし、参列されるご人数がご親戚を含め、目だって少なくなっている現実も否めないところに何か寂しさを覚える今日この頃である。

 日付が変わる前の時間、東北地方で地震発生のニューがあったが、本当に地震とは恐ろしいもの。2日前に神戸から六甲方面に抜ける長いトンネルを走行したが、ずっと<地震が起きないように!>と祈りながら走っていたので、ついついアクセルを踏む右足に力が入ってしまう。

この6月1日から道路交通法が改正され、後部座席での安全ベルト着用が義務付けられたが、明日、高速道路を走行する際に忘れないように心がけなければならない。

法律とは、専用運転手さん付で後部座席に座る人達が成文化して議会を通して実施されるものだが、そんなことを考えると、万一の事故の際に命を守るという安全の重要性を理解するも、自分達にも面倒な「後部座席族」がよくも決定に至ったものだと驚いてもいる。

兎にも角にも安全運転を! お酒を飲んだら絶対にハンドルを持たないように!

今日の写真は関西空港で撮影した1枚を。
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