2013-03-10

お知らせ  NO 3216



 これまでに多くの司会者を指導してきた歴史がある。振り返ってみたら様々なドラマみたいなこともあったが、時に悲劇になり喜劇につながるのだから「プロ」と呼ばれる立場の責任は重い。

悲喜劇という言葉で捉えたのは、分かり易く言えば「結婚披露宴」を悲しくさせてしまうミスや、逆に「お葬式」を喜劇にしてしまうケースで、最も具体的な例で言えば「結婚披露宴」で「ご弔電代読」とやってしまい、「お葬式」で「ご祝電代読」と発言してしまうことであろう。

 何度も書いてきたように、マンネリの中にミスが発生する危険性が高く、その背景に「勝手な思い込み」があることを絶対に忘れてはならないこと。間違ってはいけないことを書いて読むことは基本だが、書く時点で間違ってしまったら最悪となるので気を付けたい。

  多くのベテラン司会者を指導してきたが、そこで気付いたことに「禁句」や「敬語」の問題が理解されていないこと。「ご祝電をご代読」「ご弔電をご代読」な んて、自分が代読するのに「ご」を付けてしまうことは基本的な誤りであるし、「また」「繰り返し」「もう一度」「今一度」なんて言葉にどんな問題があるか を学んでおきたいものだ。

ブライダルの司会者の皆さんを指導した際に「既成事実に流されている中に大きな誤りがあり、発想転換して是正しなさい」と指摘して衝撃を与えた問題が二つあった。

 一つは「新郎新婦入場」の際の拍手の要請発言で、私の場合は「やらないよ」と言うと全員が信じられないような表情を見せて驚いていたが、実際にやる形式を提案してみると、全員が納得に至るのだから面白いものだ。

  もう一つだが、披露宴が進んで行って、新郎新婦から両親への感謝の言葉が代読されたりプレゼントが贈呈される場面だが、育てて貰った新郎新婦が高いところ 側から行うのはおかしいというのが私の哲学。高砂の席にご両親を上げ、立場を逆転させて下から贈呈を行い、「新郎新婦を見事に育て上げられたご両親に盛大 な拍手を!」と盛り上げるのがプロたる司会者であり、残念ながらこの形式を実行している司会者は私が指導した人しかいないようだ。

 過去 に書いたことを再度触れておくが、新郎新婦の入場の際に拍手を要請するのは愚の骨頂。特に会場が広くて出席者が多い場合には「おしらけ」のひとときが生ま れてしまい、式場側のスタッフが高砂の席まで先導する間は、音楽と内容のあるコメントだけで対応し、高砂の席に登壇して正面を向いて並んだ際に「拍手要 請」をするべきだろう。

随分昔のことだが、ある大手ホテルで行われた披露宴での出来事。当日の打合せがホテルスタッフとの初顔合わせと なったが、その際に「新郎新婦の入場の際の拍手はありません」と言うと「例がありませんと」と返されたので説教に及び、先導を担当するスタッフを確認し、 彼に3分20秒で登壇するようにとリハーサルをさせた。

そんなやりとりがあった結果だが、ホテルスタッフ達から揃って「感動しました」「勉強になりました」と伝えられ、「マンネリ」「当たり前」の世界に、時には誤りがあることを理解してくれた出来事だったので楽しい思い出となっている。

 明日は東日本大震災から丸2年を迎えるが、その日に葬儀を行われる方々には生涯忘れることのない記憶となるだろうし、司会者はそんなことに触れる発想も望まれる。

  さて、日課として訪問している「幸せ列車」のページが本日よりリニューアルされ、愚性の世界というコーナーが開設された。管理人さんとは不思議なご仏縁に 結ばれ、過去にメールマガジンの執筆を担当させていただいたが、この「独り言」とは異なる世界のことにも触れたいと考えている。

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