2004-04-10
ナレーション NO 759
久し振りにご親戚の多い葬儀を担当、指名焼香順位の芳名が60数名おられた。
丁度3年前、同じ式場で奥様の葬儀が行われたが、今回のお通夜のご法話、お寺様が故人とご伴侶について、桜の花の「えにし」を話題にされて語られたのが印象的。
伴侶を送られてからのお寂しさ、それはいかばかりだったのだろうか? 夫婦とは、送るより送られる方がよいという考え方が強いようだが、送る仕事に従事する私なんて、絶対に先に送られたいと思っている。
故人には、曾孫さんがおられたが、自身に曾孫が誕生ということを想定すれば、早くても20年後、それは、とても遠い年月と感じてしまう。
今日、あるご夫婦が無宗教形式の事前相談で来社されたが、プロデューサーとして対応申し上げた私自身が先に逝ってしまうこともあるだろうし、社内での伝達を<しっかりしておかなければ>と思っている。
今晩担当の御通夜、お寺様が7人入っておられた。ベテラン司会者でも体験したことが少ないご宗教、その独特の哀調風なお経が特別な世界を創造されていた。
式場のコーナーに設営されたメモリアルコーナー、そこに<これは、いい>というお写真が掲示されている。ご夫婦でダンスをされるツーショット、そのお二人の笑顔がとても素敵だった。
最近の写真はカラーが当たり前だが、メモリアルボードの写真ではセピア調のインパクトが高い。青春時代やご苦労された時代の思い出写真、それは、モノクロがすべてを映し出してくれるよう。
お通夜での追憶ビデオのナレーション、命の伝達形式の特別バージョンで進めたが、ナレーターをスタートした時に<しまった>ということに。
予想外に照明が暗く、手にした原稿が段々見辛くなり、終盤では完全にアドリブとなってエンディングを迎えた。
しかし、ご弔問の皆様には、そんな裏事情を感じられた方は一人もおられなかった筈。ハプニングをハプニングでないように解決するのがプロの仕事だが、自身でハプニングを作ってしまったのだから恥ずかしい。
今、明日のナレーションの原稿変更を打ち込んでいる。ご家族やご親戚の方々から託されたメッセージの内容がいっぱいあり、これをどのように整理するかが大問題。
一部を女性ナレーターに担当させるキャスティングを描いているが、その大半が『かぎカッコ』の世界。その伝達表現力は簡単ではない。
明日の朝、事務所でレッスンチェックを行うつもりだが、花粉や黄砂の影響が少ないことを願っている。
テレビの人気番組「水戸黄門」、随分前のナレーターは「芥川さん」で、その五七調の名調子を覚えているが、明日は敢えて五七調を避け、特別な久世バージョンでやってみよう。