2002-05-07

ブライダルの変化に思う   NO 67

10数年前から比べると、ブライダル産業が大きく様変わりをしてしまった。

媒酌人の存在しない結婚式、人前結婚式の増加など、今、適齢期の女性のアンケート調査では、80パーセントに近い方々が媒酌人を無用と考えているそうだ。

「家」と「家」の結びつきから、「人」と「人」の結婚という意識変化もあるだろうが、私は、日本人の心の根底にあった「儒教精神」の稀薄も原因していると考えている。
 
変化の始まりには、需要と供給のバランスに生まれた様々なニーズ変化が猛烈な速さで進んで行き、その影響を与える存在になったのが、出席者の体験に生まれた「疑問」の解決だった。
 
一生に一回だから「大切に」ということは変わらないだろうが、無駄の削減や個性化、多様化は社会の自然ニーズ。ホテル側の勝手な事情で構築されていた「パックシステム」が崩壊していったのは当たり前のことだろう。
 
一生に一回のことだから、私の「わがまま」を許してという新婦の願い、情報社会の中で、それに応える窓口を探し求められることは当然で、新郎新婦の中には、ホテルの担当窓口以上のノウハウと情報を集約していることも少なくない。
 
「みなさんこの形式です」「昔からこうなんです」というようなお仕着せ型。そこに若い人達が反発して離れていったのは自然の流れ、仕方がないことだろう。
 
「新郎新婦とご一緒に考えましょう」をキーワードに、ブライダルプロデューサーの登場する時代。次に自分達のブライダルを迎える友人達の間で、出席体験に生まれる情報伝達がどれほど大きいかご理解いただける筈で、ネット社会が拍車を掛けているようだ。
 
デパートなどに存在している式場斡旋ビジネスにも、厳しい風が吹き始めている。

新 郎新婦は、現代的な考えで情報だけは入手するが、斡旋ビジネスが式場側からのマージンで成り立っていることを常識として知り、自分達が負担をする必要はな いとの合理的な考えが強く、多くのホテルも手数料の負担を真剣に考慮し始め、オリジナリティなブライダル提案に真剣に取り組んでいる。

偲 ぶ会、お別れ会、社葬など、ホテルでの仏事サービス構築のために、プロデューサーとして招聘されることが多くなってきているが、ポストブライダルと発想し て取り組まれるホテルに、このビジネスの将来は絶対にないと断言するところで、ブライダルへの意識改革を含めてレクチャーをすることにしている。

また、ホテル側で仕事に従事されているブライダル司会者の皆さんが、仏事サービスに対して安易に考えられている姿勢が見受けられ。その恐ろしさの教育も重要視している。

明日は、儒教精神の稀薄に伴う先祖供養の意識低下から、「葬儀」の変化について表記させていただきます。

業者任せ、他人任せから自分や家族で考えられる時代の到来。昔ながらの「お仕着せ形式」への抵抗感発生など、それらは、ブライダルの姿に似る様相を感じていますが、そんな一部を僭越ながら提起申し上げます。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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