2003-01-22

五・七・五   NO 321

昨日の大阪の夜は冷え込んだ。在社していたスタッフ3名を伴い近所で食事をし、帰宅してからすぐに銭湯に行った。

 取り敢えず、体重計に乗る。64,6キロ、前回書いた時よりも2,4キロ増えている。

 これは、この数日、スタッフ達と続けて食事をしたからのようで、鏡を見て、ウェストだけが太くなっている自身の姿に唖然として反省。

 冷えた身体で普通の湯船に入ることは苦痛。そこで、いつも先に温めの小さな湯船に入ることにしている。

 この日は、まるでインク色の湯。看板に目をやると「紫紺の湯」とあった。

 湯船につかりながら説明版を読むと、紫紺とはムラサキ科の植物の根。
花岡青洲が作った火傷薬「紫紺膏」の元だそうで、古代から高貴な人の衣服の色として用いられてきたとも書いてあり、お寺さんが身に着けられる装束を思い浮かべることになった。

 今日は、定期的に通う医院に行く日。混雑するお医者さんの待合室でナレーション原稿を創作したが、小児科を併設されているところで、この日は特別に子供が多く、すぐに中止した。

 幼い子供が看護婦さんから体温を測られている。どうやら風邪が流行しているようで孫のことを思い出し、心配そうな若いお母さん方の表情に同情を寄せる。

 完成した通夜のナレーション。偲ぶひとときとしてビデオ映像に併せてナレーターをつとめたが、終わった後、喪主様である女性が司会台の所へやって来られた。

 故人は、彼女のお母様。小学校6年の頃から俳句や詩にご興味を持たれ、卓越された詩文の才能があられたそうで、素晴らしい俳句を残されており、それらも映像の中に編集した。

 「俳句を趣味としている叔父が、『是非、さっきのナレーションの原稿を』と言っているのです。何とかなりませんか?」

 それが喪主様のご要望。俳句に造詣深い故人のことを念頭に、頭をひねった成果をお感じいただけたようで嬉しく、後日にビデオに吹き込んで差し上げますと応えてしまった。

 考えてみれば、これも「著作権」という知的所有権があるではないか。葬儀社というものは社会での認識が低いようで、反省と同時に寂しい思いを抱くことになった。

 さて、こうなったら「とことん」やらなければならない。明日のナレーションは、俳句をいっぱい散りばめて創作してみよう。こんな私だが、ちょっとだけ俳句に挑戦したこともある。とは言っても「川柳」の方が詠みやすいが、何とかなるだろう。

 故人は、女性ばかり4人の子供さんがおられる。皆さん素晴らしい方だ。
 
 『財産を、取り合い、位牌譲り合う』

 そんな川柳があるが、ご遺族は、位牌を奪い合うようなご家庭だった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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