2003-01-15

残念ながら    NO 314

ある大手ホテルで「偲ぶ会」が行われた。

 この総合プロデュースと司会を依頼されていたが、どうしてもスケジュールが調整できず、様々なアドバイスだけを行い、ホテルとホテル側が依頼された司会者で進められることになっていた。

 当日を迎える2日前、施主様からお電話を頂戴し、どうしても「星名国際登録」のオリジナル奉呈式だけでも担当して欲しいと懇願された。

 これは、弊社や日本トータライフ協会のメンバーでしか不可能なことで、どうするべきかと苦慮した私は、当日の会場で放映するビデオの創作を思いついた。

 故人の人生をシナリオ化し、夜空をイメージする資料映像を元に、オリジナル音楽を挿入しながらナレーションを吹き込み、4分40秒のビデオを完成させ、その効果的な活用方法のシナリオを添えて当日の本番前に届けることになった。

 弊社は、深い悲しみにくれられるご遺族に対して、癒しと慰めを目的として「星名国際登録」を申請し、プレゼントを行っているが、これらを実際にご体感された方々からのお問い合わせが多く、今回もそんなお客様だった。

 「プレゼントですから、料金の設定はないのです」

 そうお答え申し上げると「それでは、お願いできないのでは」と困惑されるのも事実だが、私や協会は、一切の販売を行わないという理念で結ばれている。

 そんなところから、今回のお客様には、ビデオ制作、ナレーション制作、ナレーターとの費用だけを頂戴し、登録申請費用に関してはプレゼントということでご了承をいただいた。

 さて、当日の本番。私の描いたシナリオ通り、照明が落とされてビデオ映像が流されたそうだが、出席者だけではなく、ホテルスタッフと司会者自身が驚愕し、出席者からの問い合わせを受けたホテル側が対応に困られたということも伺った。

 それらは、お電話だけではなく、後日にご郵送くださったお礼状にもしたためられてあったが、そのすぐ後に、当日の司会者が所属する事務所の代表と称する方から電話があった。

 「当方は、大阪の多くのホテルさんと提携をしています。担当司会者とホテル担当者から衝撃という声を聞き、是非、御社と業務提携を結ぶことが出来ればと思いまして」

 言葉は丁寧であったが、どうも弊社を下請けにとのお考えを感じてしまう。

 そこで、私は、私が現在プロデューサーとして招聘を受けている全国のいくつかの一流ホテル名を伝えることにした。

 「大変、失礼を申し上げました」

 言葉の豹変である。そして、今度は、懇願の姿勢に変わった。「弊社の司会者を使っていただけませんでしょうか?」と。

 こんなことを電話で進めることではない。少し頭に来た私は、このやりとりを遮る発言をする行動に出ることにした。

  「これまで、400名ぐらいのブライダル司会者を教育してきました。電話1本で数十人なら今でもすぐに揃えることが出来ます。プロデュースの段階で、お客 様のイメージに合わせた司会者をキャスティングするのもプロデューサーの仕事。常識ではありませんか? 今、私にオーディションをする時間は全くございま せん」

 「勉強不足で重ね重ね失礼を申し上げました。なにとぞ、30分だけでもお会いできるお時間を頂戴できれば」
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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