2003-02-22

待ち人来る    NO 352

今日、講演が終わって帰社すると、弊社と私が大歓迎申し上げる方が来社してくださっていた。

 前々から「是非、来社を」とお願いしていたが、ご多忙な方。やっと教えていただく時間を頂戴することが出来、嬉しく思っている。

 彼は、音響と照明のプロ。九州や東京での仕事でもお願いしたことがあるが、その技術は卓越されており、何より感性が素晴らしく、それにコンサートやイベントよりも葬儀の方が遣り甲斐があるとおっしゃるのだから有り難い。

  私の隠れ家に新しい器材を持ち込んでくださり、しばらくの間、拝借させていただくことになったが、この音響システムは、マイクの入力音を機械的に変化させ て出力させるもので、大ホール、小部屋、教会の中など、何十種類の臨場感溢れる残響音を創ることが可能で、それを好みの秒数で処理出来るという優れもの。 また新しい世界が広がるように思っている。

 さて、彼が持参されていたノートパソコンの世界を覗かせていただきびっくり。

 コンサートやブライダルフェアなどで創作された照明がリアルに復元され、照明のグローバルな世界の勉強になったし、同席していた弊社の幹部スタッフが「これは、凄い。大いに参考になり、我々葬祭業でも活用が出来る」と喜んでいた。

 照明の世界でもパソコンが必需品になっている。企画時のプレゼンに使用されるだけではなく、実際の照明技術をパソコン内で組み立て、それをパソコン自身から命令するというシステムも組まれているから驚きだ。

 「会場が暗くなることさえ出来れば、どんな照明演出でも可能です」

 そうおっしゃった言葉にプロの誇りを感じたが、それは<この人と出会ってよかった>と、改めて心から「えにし」に感謝申し上げた瞬間でもあった。

 私は、自身の幸せなことに手を合わせている。欲する分野にすべてのプロの存在があり、プロデューサーとしての最高の財産を得ていることにもつながり、これ以上の贅沢はないというようなキャスティングが可能となっている。

  振り返ってみれば、この方との出会いも不思議なご縁。私が2000年に発表した「慈曲葬フェア」に興味を示されご体感。「面白い」と思われたと同時に、 「自分ならこうする」との思いも抱かれ、その後にアポがあって初めてご来社いただき、互いに熱いプロ意識の論戦を交わしたのも懐かしいところだ。

  ホテルの大規模な社葬では、恐ろしい音響システムを持ち込まれたこともある。マイクから1メートルも離れた内緒話まで拾う繊細な音響器材。アナウンスで唾 を飲み込むことも出来ないという苦労も体験したが、私の声質を的確に伝達表現くださるシステムの提供、それは、私の最も嬉しいところでもある。

 しかし、それは、お粗末な音響では仕事がしたくないという、贅沢な自分を作ってしまったことは間違いないだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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