2002-11-19

痩せた原因    NO 261

この数ヶ月で、体重が5キロも減った。

「ダイエット グラムで減ってキロで増え」という川柳に感心したことがあったが、私は、決して、ダイエットに取り組んだのではないことを正直に吐露申し上げる。

 仕事が段々とハードになってきているが、それが原因でもない。

 数ヶ月前、私がよく通っていたお寿司屋さんでご不幸があった。昔馴染みの奥さんが突然にご逝去され、本当に悲しい葬儀が行われた。

 私が式場に初めて行ったのは、お通夜の前。ご遺族にお悔やみを申し上げながら、私も涙が溢れて止まなかった。

 このお寿司屋さんとは近所同士の関係もあり、私の青春時代からのお付き合いがあったが、5年ほど前から、私のストレス解消のお店となっていたのである。

 ナレーションの原稿や進行シナリオの創作を終えると日付が変る深夜が多く、完成したらこのお店に行こうという支えともなり、自宅から歩いて3分というこのお店に、週に3日は通っていただろう。

 午前3時頃まで営業されていたお寿司屋さん。常連のお客さんとも馴染みとなり、いつも葬式談義で盛り上がっていたことが懐かしい。

 好き嫌いの多い私は、いつもメニューが決まっていた。僅かな売り上げにしかならない私を、いつも歓迎してくださったご夫婦。あのやさしい奥さんが亡くなられるとは夢にも思わなかっただけに衝撃だった。

 ご夫婦は、過去に娘さんが交通事故で亡くなるという悲劇の体験もされていた。それだけにご長男に対する思いも強く、息子さんが結婚される前、息子さんが彼女を伴って私の自宅に来られたこともあった。
 
 悲しい葬儀が終わっても、それからお店が開かれることはなかった。

 私が深夜に徘徊していたお寿司屋さんが閉店されてしまった。ほんの少しのお酒と少量の肴しか注文しなかった私を歓迎してくださったお店。そのお店に行けなくなったこと、つまり、深夜食が出来なくなったことが減量の原因なのである。

 司会者は冷静でなくてはならない。決して自身の感情を表していけない。涙を流すようでは一流でない。

 遠い昔にそんな教育を受けたが、私は、時には故人と遺族のために葬儀委員長と喧嘩までやってしまうこともあるし、涙を流すことも多くあり、未だに一流と呼ばれる資格がないだけではなく、これからも呼ばれることはないと思っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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