2002-08-02

葬祭業の未来に    NO 153

ある地方の葬儀社さんから手紙を頂戴した。ご本人は後継者となる青年で、葬祭業に従事してまだ1年も経過していないそうだ。

 幼い頃から葬儀屋の息子ということが嫌で、小中学校時代には「葬式屋」と言って、随分嫌な思いをされたこともしたためられてあり、これは、この職業にある人達の多くが体験してきたことで、よく理解出来る話である。

 数人の社員の存在もあり、仕方なしに後を継ぐことになったというこの青年は、梅雨の時期に他の職業に就職しようとも考えていたそうだが、そんな時、ふと、この「独り言」に出会い、大きく考え方が変わったという感謝の言葉が添えられてあり嬉しく思っている。

「葬祭業とは立派な仕事だ」 「プロの世界の仕事だ」 「ホテルマン以上のホスピタリティが求められる」 「葬祭文化の向上は自分達で創造しなければ」

 そんな「独り言」にしたためた言葉が意識改革につながって何よりだが、人の人生に変化を与えることになった事実に対して、私にだけしか解らない責任を感じている。

  昔、遠い南国の葬儀社の息子さんを預かったことがあったが、彼は幼い頃から自衛官に憧れており、親に対する猛烈な抵抗感を払拭するのに苦労した思い出があ るが、今回の青年は、葬祭業を天職として考え始めたようで、その将来に大きな期待を寄せながら返信しようと思っている。

 恐らく、今日もこのページを見ておられる筈だが、近日中に返信しますのでお待ちくださるよう願います。

 そうそう、追伸のことにも触れておきたい。「近い将来に、日本トータライフ協会に加盟出来る業者になります。その時にはよろしく」とあった。

 彼は、すぐに加盟したいと思ったそうだが、加盟メンバー達のHPを見られ、まずは自身を磨いてからという謙虚な姿勢に感銘を受けたし、必ずや協会の認証に値するレベルの業者さんに変貌されると確信している。

 若いメンバー達の交流が深まり、様々な相乗効果も生まれている。
囲い込み戦略が主流の葬祭業界に逆行するような協会活動だが、葬儀「社」の前に葬儀「者」を目指す彼らの崇高な精神は、将来に必ず社会で受け入れられる筈だし、それらは葬祭文化の向上につながり、葬祭業が誇りある「プロ」の職業として認知されると信じている。

協会の加盟を希望される業者さんが増えてきているが、協会に帰属するソフトやノウハウの取得を目的としての入会は認めていないし、それらはメンバー誰もが歓迎しない筈。

自分の持つ大切なものを「より以上に」「より大切に」との研鑽。そこで次に生まれる新しい発想。人生の終焉をお手伝いする葬祭業は、「感性」が重要視されてきており、協会に集う「匠」達は、今、猛烈に「感性」をぶつけ合っているのです。
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