2003-04-22

パーティーから   NO 407

昨日、パーティーの帰路、出席されていたあるホテルの総支配人さんに声を掛けられた。

 彼は、今から4年前ぐらいに私をホテルに呼ばれ、各サービス部門の責任者を集められてホテル葬サービスの講義したこと経緯がある。

  「あの時、ご指導いただいたことをすぐに始めていればと後悔しています。こんなに早くホテル葬サービスの時代がやって来るとは思わなかったのです。完全に 出遅れただけではなく、今の経営観念で進めているホテル葬サービスの質は低く、お客様の評判が良くないのです。トップの意識改革さえ出来れば一挙に勝ち組 になれるのに」

 それは、いかにも残念そうな表情を見せられる嘆きというものであった。

 今、ホテルを会場とする社葬、偲ぶ会、お別れ会が潮流となっているし、バンケットルームを有する全国のホテルが、そのパンフレットを用意されている時代を迎えている。

 一方で、ご遺体を受け入れて通夜と葬儀を行われたホテルも数件あり、これらは、今後に確実に増加するだろうし、葬祭式場のホテル化とホテルの葬祭式場化に拍車が掛かるだろう。

 私がこれらを予測したのは16年前。葬祭業界団体の講演で発言した時は嘲笑を受け、狂人扱いされたことも懐かしいが、確実な裏付けで構築を始めたオリジナルサービスシステムは、登録商標という知的財産となって認識されるようになってきた。

  この間、多くの方々との出会いがあった。オリジナルCDの制作に尽力くださった女性音楽家の存在が大きいが、音響、映像、舞台監督、クリエーター、デザイ ナーなど、それぞれの分野に於ける本物のプロとの出会いが何より「財産」で、いよいよ交流が深まってきていることを嬉しく思っている。

 そんな出会いの中で、超一流ホテルに勤務されていたベテランホテルマンとの出会いは衝撃であり、昨夜のパーティーは、彼の勇退パーティーであった。

彼は、サービス業としての認識が成されていない葬祭業界の状況を指摘され、ホテル業界と葬祭業界の将来にあって意見が一致し、熱く語り合った中での意識改革に、私が現在に至ることが出来たと感謝を申し上げる。

 そんな彼が、ご自身の仕事から勇退されることになった背景には、数年前にお父様を亡くされ、今、お母様の介護という大切な責務が重なっているからで、心から残念という気がしてならない。

しかし、彼の人徳に生まれた素晴らしい方々との交流は、私にとっても貴重な体験につながることになり、私に出来ることがあれば可能な限りの協力を惜しまないつもりである。

ホテル関係者が大勢おられたパーティー。ホテル葬を話題にする人達も多く、私のところへ来られて質問された方も少なくなかったが、私が彼らに発言した次の言葉には衝撃を受けておられたようだ。
 
 「現在のドライブスルー形式のホテル社葬は、確実に社葬を消滅させて行く方向に向かっている。早い内に方向修正をしなければホテル業界は、必ず後悔することになる」
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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