2003-04-21

有為転変    NO 406

「メモリアルサービスの事務所に来てください」
 そんな電話が女性スタッフからあって事務所に行くと、マイクロバスを一回り小さくしたようなワゴン車が停まっていた。

 招かれて車の中に入ると、それは、最新型のコピー機のデモンストレーションが行われる設備が備えられてあり、すでに数人の弊社のスタッフが入っていた。

 故人の人生表現を「かたち」として表したいとの思いから、今、様々なオリジナルサービスを始めているが、致命的な欠陥として理解されたことが時間との戦い。これまで、何度、深夜に至る作業を強いられたことだろうか。

 それらの一挙解決、それが今日のデモンストレーションに至った訳である。

 弊社のスタッフの中では、4人がパソコン技術に長けている。私は、ただ文字を打ち込むだけしか出来ないが、彼女達は豊かな感性で素晴らしい作品を創作してくれる。

 しかし、プリンターの機能が泣きどころで、最新のシステムを導入する時期を迎えたと認識している。

  IT技術の革新は著しい。バスの中で拝見したシステムには驚く機能が組み込まれていた。OA機器の増加で事務所のスペースに物理的問題が生じる対策に、資 料が記憶収納されるシステムが内臓されており、必要な時にボタン一つで取り出せるというアイデアには拍手したい気持ちになった。

 「そんなの、あたりまえですよ」

 女性スタッフが私にそう言ったが、こんなシステムに弱い私にとっては驚きの世界。いよいよ着いて行けない時代になってきたようで、取り残されるような一抹の寂しさを覚えている。

 さて、夕刻からホテルに出掛けた。私の大切な方の勇退パーティー。多くのホテル関係者が集われるている。この日のために遠方から出席された方も少なくない。

 懐かしい方々の顔もあった。入り口のところで知人と話をしていると奥の方で手を振ってくださる方がいる。すぐに伺い、昨年にテレビのニュースで見た光景を話すと、にっこりとされた。

 彼は、ある著名なホテルの総支配人で、この会の発起人のお一人。何度かゴルフをご一緒したが、そんな彼がサッカーのベッカム選手と握手をされている光景をテレビで見たからである。

 彼と私の会話で共通したこと。それは、サッカーがあれほど国際的なスポーツであったことを知らなかったこと。「お陰でよい宣伝になりました」と言われた彼の言葉には真実味があった。

 我々が励ましを申し上げる今日の主人公。私は、彼の引き際に男の「美学」を感じ、見事な勇退であると思っている。

  これまでに何度かゴルフもご一緒させていただいたが、何処のゴルフ場に行っても誰か知人と遭遇されたり、ゴルフ場の重職にある方が挨拶に見えられる。それ だけ人望と人脈のあるパワーがあられたのだが、「これから第二の人生を」と真剣に考えられた結果であり、同年代にある私のこれからの人生観に大きな影響を 与えられたことも確かだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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