2018-05-12

昔の話  NO 8197

チケットホルダーデスクトップ型のパソコンやワープロが社会に登場する前に、面白い機材を実験的に使わないかと提案して来た会社があった。

それは、キーボードでローマ字家で打ち込んだ文字が、電光掲示板で流れるというもので、15センチ幅で1メートル程の電光板だった。

私が使ってみようと思ったのはお通夜や葬儀での案内で、弔問お礼や葬儀の時間の情報を伝えるのに便利だったし、葬儀当日には式次第の流れの説明や代表者の指名焼香が始まる時間を「1時19分」なんて流していたが、それが会葬される方々に話題になり、告知した時間通りに代表者の指名焼香が始まると驚かれることになった。

大阪の葬儀の式次第は開式があって親族の指名焼香が終わってから立礼者が表に並び、代表者の指名焼香に進むのだが、宗派によって式次第は「差定」という形式で決まっており、導師の読経のスピードや親族の方々の人数を計算すれば簡単に算出されることが出来、「1時29分」や「1時31分」とすると「本当に?」と興味を抱かれ、待たれる時間を短く感じさせる効果も生まれていた。

「1時30分頃」としないのがテクニックで、これに合わせることは難しいことではなかった。

少し考えていただきたい・親族の方々の指名焼香が終わって立礼に並んだ時の時間もあれあば「只今より各種団体代表者の指名焼香を」という時間には2分間の余裕があるし、親族の方々の焼香は人数に合わせて香炉数を調整すればどうにでもなる訳である。

そんなところからワープロもパソコンも登場していない時代にキーボードで文字を打つ体験をしたのだが、結構楽しく打ち込んでいたことを憶えている。

ある政治家の奥様と会合で会った際のこと。彼女は私が司会をしている葬儀に参列されて驚かれたそう。それは代表者指名焼香の時間を開式後に案内するからで、ぴったりとその時間から始まることが衝撃だったみたいで、議員の代理であちこちの葬儀に参列されていたが、時間の案内をするのは私だけだったと懐かしがられていた。

司会者は究極のサービス業というのが私の哲学だが、この時間の告知アナウンスもその一つで、多くの人達から驚きの声を頂戴していた歴史がある。

町を歩いていると女性から声を掛けられた。彼女のご主人の葬儀を担当したご仏縁もあったが、私が「体調が芳しくないのでその時は送ってね」と言うと「そんなのダメ。私の葬儀で追悼の言葉を捧げて欲しい」と懇願された。

共通する知人の葬儀で私が追悼の言葉を捧げた時に参列されていたみたいで、「あれをやってね。必ずよ。約束よ」と言われた。

考えてみれば責任が重い。この要望を頼まれているのは十数人おられるので大変だ。目が不自由でも原稿なしでも喋られるのだから問題ないが、まだ数年はこの世に生かされなければならないようだ。

昨日の散歩は高松小学校から天王寺の教育大学のコースだったが、途中で若い男性から声を掛けられてびっくりした。「・・教の・・と申します。お時間ございませんか?という宗教の勧誘だったが、道でこんな体験をしたのは初めてで驚いた。

自宅のポストに様々な宗教の情報誌が入っているし、インターホンが鳴って対応したら宗教の勧誘というのも少なくないが、私の足がもう少し元気だったら、立ち止まって「論破」していたかもしれない。

最近は歩行に支障が出て来ている。じっと立ち止まると膝の後ろが痛くなって来るので困っている。

今日の写真は「スーパー北斗」の車内で撮影した一枚を。チケットホルダーがあるが、入れたままで忘れる人が多いそうで要注意だ。
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