2006-06-16

文化への誘い  NO 1537


 我が大阪の葬儀では、親族の指名焼香が当たり前。最近では「遺族だけ」というケースも出てきたが、お通夜の弔問客が帰った後のご遺族は、この順位決定で大変なご苦労を。親戚の多い場合は悩みの種ともなり、「あれがなかったら」という嘆きのお声も少なくない。

 通夜と葬儀の参列者数が逆転したのは随分前だが、その傾向がいよいよ強くなり、葬儀全体に考えてみると弔問者、会葬者だけではなく、参列される親戚の人数も激減しつつあるように感じている。

 これまでの私の歴史で最も親戚数の多い焼香順位帳に驚いたのは136名、故人が13人兄弟、ご伴侶も8人兄弟ということからこうなったのだが、ご自宅で行われたことからどれだけ大変だったかはご理解いただけるだろう。

  葬儀の司会をしていると、この焼香順位帳で自然に文字を覚えることになる。間違って読んだらいけないので確認するのは当然だが、記帳される際に「読み仮名 を」とお願いしている中、それが間違っていたというケースも少なくないので恐ろしく、開式前に読み上げて確認するのが望ましいだろう。

 世の中には様々な苗字や名前がある。人の名前とは親が真剣に考慮されて命名されるのが当たり前、そこでご当人しか分からない難しい「読み」に出合うこともある。

 私は自分専用のマイクを持っているが、それはスイッチの付いた形式で、放送局やホテルで使用されるスイッチのないマイクを使用しないというのが鉄則。その裏側には「テクニック」という秘密があるが、協会のメンバーや塾生達だけしか知らない秘話である。

 弔電の代読、焼香順位の読み上げなどにあって、スイッチ付きマイクは「非常」に大切なもの。このテクニックを伝授した人達全員が「余裕が生まれました」と感想を述べている。

 さて、ある葬儀の焼香順位帳をチェックしていたら珍しい苗字が目に留まった。「七五三」とあるではないか。私は、過去にこの苗字の方と交流があり<ひょっとしたらご親戚?>と思いながら喪主さんに伺ったら「やはり」そうだった。

 これは過去ログに登場するので重なるが、「七五三」と書いて「しめ」と読むのである。

 今日、そんな話題を書いてみたのは事情がある。函館の女性「空飛ぶ水冠」さんが発信されるコラム「迷いの窓」が更新され、「一二三」の物語に触れておられたからで、まあ<彼女らしい!>と感嘆する文章にただ合掌。

 そんなところから、今日の<HOME>接続は「空飛ぶ水冠」さん。どうぞ日本文化の扉をお開けくださいますよう。
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