2006-06-25

香りの世界  NO 1546


 昨号で「お香」について書いたが、香道に造詣深い函館の女性「空飛ぶ水冠」さんに笑われているような気がする。

 そんな純日本的な本物の「お香」の世界は別として、女性達の間で美容と健康を目的にしたアロマセラピストも登場し、販売されているエッセンシャルオイルの種類がどんどん増えているそうだ。

「お香」以外の香りに関する商品は多いが、外国では随分昔からローソクに香料を入れる手法が採り入れられており、今や我が国でも様々な香りのするローソクが店頭を賑わす状況、それらはホテルの売店から空港内に専門コーナーまで生まれているのだからびっくりする。

 私が入院していた際、病室にそんな香りをプレゼントくださった女性が3名おられた。お一人は現代的なもの、お二人は純日本的な香り袋をお帰りの際にさりげなく置かれて行かれた。

 部屋にやって来る看護師さん達に<!?>という仕種が感じられる。日によって替えておいたらそこで新しい発見もあった。

  純日本的な香り、それが若い看護師さん達には体験したことのない新鮮な香りに感じられたみたいで、アロマテラピーやセラピーという言葉があふれ、香りの専 門学校が出現してきている世の中に沈香、伽羅の澄んだ特別の香りのパワーを改めて知った体験ともなり、変なオジサンの好きな表現からすると『化学「人工」 より自然「沈香」が勝る』ということになるだろう。

 また、香道では「香りを聞く」という言葉で知られるが、これも変なオジサン風に申し上げると、香りに出合って<!?>の次に「これ、何の香り?」という質問につながるのだから「聞く」に間違いないと思ってしまう。

 さて、同じ昨号で伴侶の死について触れたが、印象に残っている言葉があるので紹介したいのだが、どうも記憶力の低下が著しく、それが書物、新聞、テレビのどれだったか覚えていないのだから始末が悪い。

「結婚とは、人生の証人の求め合い」というものだが、重みのある表現で感銘を受けた。

 過去に何度も書いた「人生の四大衝撃」だが、トップにランクされる「夫婦間に於ける子供の死」に続いて第2位は「伴侶の死」である。

 ご伴侶を送られる多くの葬儀を担当させていただいた中、「人生の証人」という言葉に出合い、それを喪う悲しさ、寂しさの意味を改めて知ったような思いがする。

 ここでもうひとつ考えたいことがある。それは、我々葬儀社が「悲しみの儀式の証人」であるということ。そこに悲嘆の和らげにつながる「思慕感」という立場が存在しているのである。

 ここで、また変なオジサン風で。葬儀とは宗教上の「聖人」や「上人」も関係する世界で、単なる「商人」の仕事でないと考えよう。

 今日の<HOME>接続は「空飛ぶ水冠」さん。コラム「迷いの窓」に「香り」の世界があるのでご訪問を。
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