2006-07-03

世間は狭いですね!  NO 1554


 先月のある日、本社に立ち寄ったら「でっかい」ジープらしき車が裏側の駐車スペースに置かれていた。

 事務所に入ってスタッフ達に確認すると、一人の男性スタッフが「私の車です」と言い、特別な事情から総支配人に許可を得て乗ってきていたということが分かった。

「ジープが大好きなのです」というのが彼の言葉、その目が輝いている。<子供の頃からの夢を実現した男のロマン?>なんて思いを心に、その車について教えてもらった。

 横幅が広くて2メートル以上はあるだろう。メーカーはクライスラーだが、見るからにパワーのありそうな如何にも「ジープ」という感じの車だった。

 最近に読んだ本で知ったことだが、凋落の一途であるアメリカの自動車メーカーの中でクライスラーが業績を伸ばしているそうで、そのきっかけなったのがCEOに就任した人物の指針「技術追求」だと分析されている。

  クライスラーにはとんでもないジープがあることも知った。四駆それぞれ前後に5700ccのエンジンを搭載し、合わせて11400ccというモンスター車 だが、これらが登場する背景にジープのことばかり考えていた「ジープ・オタク」みたいな技術者が存在し、彼をトップが重用する発想に「物作りの真髄」とい う結果が生まれたように書かれていた。

 どんな仕事の世界にも「真髄」と「道楽」は紙一重で「両刃の剣」という恐ろしさがあるが、そこに弾力性があるかないかで結果が大きく異なるものだろう。

 ある著名な経営者の言葉が印象に残っている。確か次のような内容だったように記憶している。

「売る前に考えろ。お客様が喜ぶものや欲するものは売るな。お客様のためになるものを売れ」・・・だったら昨日から値上げされたタバコなんて絶対に売るべきでないかも?

 製造者、販売者の両者に通ずる哲学を感じる言葉。悲しみの場で仕事をする私の立場にあって昔から重視している言葉である。

  さて、世の中とは狭いということを体験した。つい最近に参加することになった異業種のオーナー会で研修会がテーマとなり、幹事が東京のレストラン「カシー タ」のことを持ち出してきたのだが、私が青山と麻布十番の店に行き、オーナーの高橋氏とご一緒のテーブルで食事をしたこともあると言ったら大変なことに。

「どうして葬儀屋なのに!?」なんて表情も感じたが、そこから30分ほど講演する羽目に。そして、その内容とオシャベリテクニックで衝撃を与えたよう。終わったら接してくる態度が180度変わっていた。

 その中にこの「独り言」の存在を知る人もあるが、私が最年長というところから敢えて書いた。

私はいつものように「変なオジサン」と自己紹介したが、たったそれだけで「凄いオジサン」と「改称」されたのは高橋氏のお陰と感謝を。それは、まさに誤解されて生じてしまっている職業差別の「解消」ともなったようだ
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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