2006-11-15

日々学ぶことばかり  NO 1688


 産経新聞の一面片隅にあった一文だが、ドイツの宗教学者ルターの「死は人生の終末ではなく、生涯の完成である」という名言が目に留まった。

  この言葉を考えると、自殺でこの世を去ってしまうことがどれほど残念なことか理解できるだろう。<それで生涯が完成したの?>なんて淋し過ぎること。それ が子供達から校長先生までとは何かが狂っている。しかし、すぐに是正するパワーのある指導者は、政治家、宗教者、教育者、マスコミを含めて今の社会に存在 しないようで残念である。

 自らこの世を去ってしまう、残された家族の悲しみと衝撃は想像を絶するもの。そんな悲劇がこの世に起きないことを願っている。

 若い塾生のブログに「昔、自殺を考えてビルの屋上に」という記述がありびっくりしたが、誰もが辛い体験をして「生かされるている」のが宿命で世の常。彼女は、今、生かされている喜びを謳歌しているようで拍手を送る。

  一方で、信じられないミスを犯してしまった塾生もいた。それを包み隠さずブログでオープン化したことは如何にも彼女らしいところ。加害者として被害者に謝 罪して最後に慰められたという顛末を読みながら、彼女が素晴らしい体験をしたということで拍手を送りたいし、これを機に彼女が本物のプロにまた一歩近付い たと断言する。

 マンネリの中に「死角」が生じるもの。その予測が出来なかったら最近流行の「想定外」ということになるのだろうが、いつも<?>を抱くことが死角によって発生するミスを防ぐ最上手段であろうし、「勝手な思い込み」という落とし穴がいつも存在していると考えたいもの。

 ヒューマン・エラーという言葉があるが、そもそも人間とはミスを犯すのが当たり前。そこでミスを犯さないように行動するのが人格形成の一つであり、それが仕事ならプロの道の条件となるわけだ。

 こんなエラそうなことを書いているが、私の歴史にも失敗が山ほどある。それらを分析すると「反省で済むか」「後悔に至るか」と分かれるが、そんな体験から「プロは反省はするが後悔はしない」という言葉が誕生したのである。

 今回、被害者になられた方にも拍手を送りたい。叱責されることなく温かいハートでご海容くださったお人柄が素晴らしく、周囲に「不幸でないひととき」を与えられたからだ。

 ミスの被害者になって加害者に対して怒りを抑えることは中々出来ないもの。しかし、自身が<加害者だったらどうだろう?>と置き換えると叱責したくなくなるのも事実。

  今年の冬にあったCT造影剤失敗事件、また、過去の札幌からの全日空機内で発生した水濡れ事件、そして、ちょっとのタイミングのズレで命を失っていた危険 性があった東京のホテルで発生した大事件など、「なぜそうなったか?」という原因究明だけを求め、一切叱責しなかった事実があるが、それが他人に「変人」 と呼ばれようが自身の性格だから納得しているわけである。

 しかし、交通事故の加害者になってはいけない。また、いじめで自殺に追いやってしまう当事者になるなんて最悪のこと。親は子が「いじめられていないか?」「いじめていないか?」ぐらいは把握するべきだろう。大半の教育者に託せることが出来ないのも現実なのだから。

  これは余談となるが、今日、スポーツ新聞の記事を読みながら<それはないだろう!>と思ったことがあった。この木曜日から宮崎県のフェニックスカントリー クラブで行われるゴルフトーナメントにタイガー・ウッズ選手が出場するが、昨日、関西空港に自家用ジェットで来日、すぐに兵庫県のマスターズ・ゴルフクラ ブでテレビ番組の収録が行われたそう。

 そこにお笑いの世界のH氏がキャスティングされていたと知って愕然とした。数年前、彼は歴史ある 全英オープンの中継でゲスト出演し、吉本風の受けを狙ったふざけた発言から抗議が殺到したことがあり、その次の日にも出演していてテレビ局が物笑いの種に なったが、今回、世界ナンバーワン選手のゲストに信じられないキャスティングをしたプロデューサーの心情が理解できないのは私だけだろうか。

 何でもバラエティにしてしまうテレビ界の風潮だが、最低限度の礼節だけは忘れないで欲しいと願っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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