2006-11-12

冷えてきましたね  NO 1685


 激しい雷鳴で目が覚めた。窓を叩く雨の音も半端じゃない。明かりを灯して時計を見ると午前3時、そこからうつらうつらで朝まで過ごして寝不足だった。

 派遣された自宅葬、そこで独りで活躍される奮闘振りを九州の塾生HAYUさんが「独り葬儀<者>」という言葉で表現されていたことがあり、我々には想像出来ないご苦労振りが伝わってきたが、今日、私も久し振りに自宅葬儀を担当させていただいた。

 HAYUさんは独りだが、私の場合は10名のスタッフと共に担当している。それでも大変なのだから「独り」なんてことは到底考えられない世界である。

 奥の畳の部屋に祭壇が設置され、手前のフローリングの部屋に持参した絨毯を敷いて対応。広いお家でも葬儀の式場となれば様々な問題があるが、故人とご家族の皆様の思いから決定されたこと。それを出来るだけスムーズに進める配慮が難しいわけである。

 まずチェックしなければならないのが「流れ」で、「人」と「煙」のことを考える。台所の換気扇だけで焼香の薫煙は解決不可能。そこで「風」の流れも重要だ。

 参列者を室内に迎えるにはどうしても履物が大問題。そこで土足設備で対応となるが、今日のように雨の天候には泣かされる。

  お庭の駐車場にイタリアの名車が置かれ、花で飾られてあった。故人は、私よりも若いお方。担当責任者によると、発病されてからのご闘病生活の中でこの車を 購入され、入退院を繰り返された間に数回だけ乗られたそうだが、事情を知っておられる方々の涙を誘う存在となっていた。

 スタッフが、その花で飾られた車の写真を撮影し、会社で画像修正をして持参、お別れ時にそっと奥様に「お柩の中へ」と差し出したら涙を流され柩の中へ納められた。

 ご遺影は、その車で奥様とご旅行に出掛けられた際に撮影されたもの。ダンディーな笑顔が素敵なお写真だった。

 取材情報にお好きだった音楽があったが、多くのレンタルCDから選曲をするのが大変、イメージを壊さないようにと夜遅くまで聴きながら調べてくれたみたいで、弔電、ナレーション、お別れ、ご出棺というシールに曲番号が記載され、自分でミキサーを担当していた。

  エリック・クランプトン、エルトン・ジョン、ロッド・スチュアートやビートルズというジャンルだが、どの曲を流してもどこかで「神変」ならぬ伝達音楽が求 められてくる。そこで参列者の年代を考慮、誰もが耳にされたことがるであろうブレンダ・リーの歌声を1曲だけ流したが、ご出棺後に「印象に残ったわ」とい う会葬者のお声を頂戴した。

 環境音楽などを別にして、お好きだったジャンルを流す場合には出来るだけ誰もが知られる曲が理想となる。コンサートでもそうだが、知らない曲は雑音と化してしまう危険性もある。今月、弊社のホールでジャズのコンサートがあるが、果たして大丈夫だろうかと心配している。

  さて「NO 1682号」で<HOME>接続申し上げた「空飛ぶ水冠」さんだが、ある塾生のブログを訪問したら彼女のことを「母上様」なんて書いていた。 会ったことも話したこともないので仕方がないが、まだお若い方。この「独り言」で「お姉様とお呼びしなさいよ」とアドバイスをしておこう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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