2003-05-08

新聞記事から     NO 423

今日の毎日新聞夕刊の社会面に、「みとられぬ死 3815件」という見出しの記事があった。

 この数字は、昨年、大阪市内の死亡者で大阪府監察医が検死を担当された件数で、1946年に開設後で最高の記録ということだった。

 記事の中で、次の部分が社会の悲しい裏面を伝えていて同感し、ここにその原文を記載申し上げる。

「あ る監察医は『戦後の混乱期は餓死などが多かった。変死者の死因は社会の姿を映し出している』と説明。最近は自殺の他、独り暮らしの高齢者の孤独死やホーム レスの路上死も増加しているといい、『医療さえ受けていれば助かったはずの遺体を見ると、本当にやるせない』と語る」

 グラフも掲載されていたが、それによると1985年に1903件、1995年に1903件とあり、その死因別の中で自殺が驚くほど増えていることも伝えていた。

 大阪市内での自殺は、1997年に590件だったのが、1998年には946件となり、その背景には不況とリストラも関係し、50代と60代が半数を占めているという特徴を分析している。

 さて、欄外に「ことば」という説明部分があり「監察医」についての解説がされていたが、ご存じない方が多いので原文のまま下記申し上げる。

  「死体解剖保存法8条に基づく制度。死亡原因を究明し、公衆衛生上の対策に役立てることが目的。制度があるのは東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市、神 戸市だけ。東京と大阪にはそれぞれ、東京都監察医務院、大阪府監察医事務所が置かれ、行政が制度を運営。他の地域では、警察が直接依頼した医師らが検死な どにあたっている」

 記事内では、監察医の激務も報じていた。1人で1日に10件を担当することもあり、食事は検視に向かう車の中という ことが多く、人手不足の解消が急務と結んでいたが、我々葬祭業者は検視を必要とする葬儀に接することも少なくなく、その時のご遺族の心情を拝察すると辛い ものがあり、家族や医師に看取られて死を迎えることの幸せを痛切に感じる時でもある。

 人は、いつ死を迎えることになるか分からないもの。忍び寄った病を自覚することになればまだ救いがあるが、事故死や脳、心臓の突発的原因で急逝してしまうことも考えられるし、そんな宿命という悟りを抱いて生かされることも大切だろう。

 そんなところから、明日は、近所の方が教えてくださった「脳卒中に絶対にならない」という「おまじない」を紹介申し上げる。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net