2002-11-28
大阪研修会 NO 267
それぞれの地から集まったプロ達が、それぞれの交通機関でそれぞれの地へ帰って行った。
大阪、神戸での2日間研修会。ホストを担当した弊社と神戸の「株式会社 公詢社」のスタッフ達は、責務を終えてほっとしているが、昨夜のお通夜の担当にそれぞれの式場へ向かって行った。
神戸にある「人と防災未来センター」を見学後、海辺のホテルで開催された講演会。公詢社の社長が語ってくれた震災時の未曾有の体験、それは、多くのメンバー達が「澄んだ」悲しみの涙と共に、彼が震災時に於ける葬儀社として行動された、立派な行為に感動の涙も流していた。
震災当日には100人の柩。次の日には200人分。そしてその次の日には数百人分。
それぞれのご遺体には、思い掛けない天災の日まで、それぞれの人生があり、それぞれの送られ方で火葬を迎えるという悲劇が秘められていた。
ご夫婦が別々に葬送されたこともあるし、誰一人として送り手のない方も多くあった。
救 出に当たった警察官、自衛官、住民の方々と共に体感された連日の悲劇は、二度と体験したくない思い出として脳裏に焼きついていると言われ、毎年、1月17 日を「禊の日」と決め、全社員が入浴して新品の下着を身に付け、午前5時46分までに出社し、屋上で慰霊祭を行っているということに心から敬意を表してい る。
感動しない人は、他人を感動させることが出来ないという言葉があるが、今回の研修会では、メンバー達が共有する人としてのあたたかい感性を改めて認識した思いである。
一方で、マンネリの中に発生する「思い込み」によるハプニングもあった。朝に大阪のホテルに迎えに来る筈の大型バスが約束の時間を過ぎても到着せず、問い 合わせて見ると良く似た名称の別のホテルに行ってしまっていることが分かり、急遽、全員がタクシーで神戸に向かうことになってしまった。
観光バス会社の運転手さんに生まれた「勝手な思い込み」に対して、メンバーの誰もが非難することなく、自身の貴重な体験として捉える姿勢にもメンバーらしさを感じた。
さて、大阪研修会では新しい発見があった。それは、若手プロジェクトチームが論議を重ねて体験させてくれた世界。我々プロが陥り易い危険性を秘める「原点を忘れてはならない」ことを教えてくれたように思っている。
彼らの会話に出てきた素朴な疑問。それが、お客様のお声のように感じられ、明日からのテーマを与えられたように思えてならない。
今年に開催された4回の研修会。メンバー達は、会う度に成長している。目で見たもの耳で聞いたこと、それらは再会した時に倍加して昇華されてきており、そのスピードがいよいよアップしていることも驚きだ。
「この連中は普通じゃない。とんでもない人達だ」
ホストを担当した弊社スタッフ達が、きっとそう感じてくれた筈。
「この疲れは何だろう?」。昨夜は、そんな不思議なお疲れモード。
大震災の犠牲者の皆様に衷心より手を合わせ、私が生かされていることにも感謝の合掌を申し上げ、いつの間にか眠ってしまっていた。