2007-01-20
初めて体感 NO 1753
妻が得意な料理を作り、それをいつもお世話になっている蕎麦屋さんに持参すると言ったので「やめるべき」と制した。
「どうして?商売人さんだから?」と返してきたが、そこで「その言葉遣いはダメ」と説教を。
こんな場合には「プロ」「匠」という言葉を「使う」べきと言うよりも「遣う」べきと教えたかったから。
蕎麦屋さんは料理の専門家、この「専門家」という言葉の発想がサービス業で最も重視しなければならないことだ。
自身にプロという誇りのない人は「商売人」という言葉に何の抵抗感も抱かないだろうが、信念や哲学を有される人にとってこの言葉は蔑まれたように感じるこ ともあり、たったそのひとことで仕事を請けなかったという棟梁や、誂え専門の洋服屋さんもおられることも知りたいものだ。
さて、最近に流行の「岩盤浴」を初めて体験してきた。2時間のリラックスタイムということだが、サウナのように熱くなく、指宿の砂風呂を思い出しながら過ごしてきた。
経営者は弊社の取引先だが、そのことには触れずに利用。「癒し」を売り物にしながら<勿体ない!>と感じたことが幾つかあった。
最も気になったのは「生活音」と呼ぶべきスタッフが発生させてしまう雑音で、お客さんが帰られた後の片付けの際に生じる作業音だった。
次のお客さんを待たせないがために行動が急がれるだろうが、廊下を歩く足音、ドアの開閉に対する配慮の欠如、岩盤の衛生のために処理されるマニュアル行動など、隣室にまでその光景が伝わってくるようでは「癒し」とは言えない、いや「癒えない」かな?
それにしても発汗の度合いは高い。サウナやスチームバスと異なる発汗メカニズムがあるそうで、ベタベタしないのが特徴と説明板があったが、それは確かにその通りだった。
「シャワーを浴びない方が効果が」という説明もあったが、さすがにそのままではという思いが強く、シャワールームを利用してきた。
痛みのある両腕の上腕部から肩、そしてずっと苦しんでいる腰痛の部分を温めてきたが、銭湯の入浴とは全く異なる温浴方法、予想をはるかに上回るほど温まることになったが、外に出たら気温が下がっており寒く感じた。
遠赤外線、マイナスイオンというような言葉が列記された掲示パネル、それらを読んでいると何やら効果があるように思い始めるのがこんな世界の常識だが、ある温泉研究者が書いていた旅行紀に面白い記述があったことを思い出した。
「温泉に行く効果、効能で最も大きいのは、今、温泉に来ているという環境に生まれるリラックス感だ」ということだが、それも確かに言い得ているような気がした体験であった。