2007-02-25

ハプニング対応?  NO 1788


 10度以上も気温が下がるという予報があったが、まさに「冬」という寒さの日。こんな日の葬儀で外に立っていたら間違いなく震えるし、多くの人達が風邪になる危険性が高まるが、担当するスタッフ達も大変なのである。

 全国で多い日には約3000件の葬儀が行われ、その日に3000件のお通夜が行われるという現実があるが、そんな中には信じられないハプニングの発生も少なくない。

 全国的に同業者と交流のある弊社だが、互いに交わす失敗談が何よりの勉強。そこには笑えないと言ったら不謹慎だが、今後に増加するであろう悲劇も絡むので紹介を。

 遠い県での葬儀、開式時間が迫っているのに導師を務めるお寺さんが到着されない。スタッフだけではなく一部の遺族の方も気付かれ、「ひょっとして事故でも!?」という会話に発展、そこで担当責任者が「何時にご出発されたのでしょうか?」とお寺に電話を。

「**寺ですが」「ご住職様は、何時頃にご出発を?」「住職はわしじゃが、何の用じゃ?」

 お寺から式場である自宅まで車で40分を要する距離。そこに導師ご本人が電話に出ているのだから責任者が一瞬にして固まってしまった。

 後日談だが、このご住職は、この出来事によって診断を受けられ、脳の萎縮という病の発見に至ったのである。

 病名は「アルツハイマー病」だが、前日のお通夜を担当され、「では、明日よろしく」と時間を再確認されて帰られていた。

 我々の研修会では、交通事故で導師が来られないことなど様々なハプニングを想定し、その際にどのように対処するべきかを勉強しているが、こんなテーマにも取り組まなければならない時代とも言えるだろう。

 遺族や親戚の皆さんだけではなく、そこに参列者の存在がある。「お寺様が事故で来られなくなりました」という報告アナウンスぐらいは誰でも出来るだろうが、そこから「葬儀」そのものをどうするかが大変だ。

 そんな質問をしてきた一流司会者に「こうしたら」と対処法を伝授、その中に最も大切で簡単なキーワードがあることを理解したようで納得の表情。今後のハプニング対応のバリエーションが増えた筈だと思っている。

 こんな<秘術?>を教える司会者養成セミナーはないだろう。この「独り言」を訪問される司会者の皆さん、受講されている先生と一緒にそんな勉強をされることを願っています。

 ヒントは簡単なところにあるのです。「無宗教形式にするのでは?」と想像される方もおられるだろうが、それこそ必然という「基本」があることを学んでください。

 全国からメールで質問をされて来る司会者さんも少なくないが、私は「礼節」なくして司会は無理と考えており、司会者は究極のサービス業という勝手な哲学を持し「来る人拒まず」で今日まで対応してきた歴史が誇り。

 メールという最新型の文明の利器で人の心を動かすことは難しく、プロの世界ではアポの手段のひとつとしか考えられず、それさえ、余程の文章力がなくては返信されることはないだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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