2007-02-05

至るまでの道に?  NO 1769


 お通夜の帰路、友人の喫茶店に立ち寄ったら、「ちょうどよいところへ!」と言われてお客さん達から質問を受けた。

「密葬と家族葬は、どう違うの?」「秘密葬って、あるの?」というテーマから始まり、今日の朝刊にあった「ご遺体に関する遺族の癒し」についてに発展。そして、数日後に親戚の法事に行くという人物から「アッと言うような挨拶の仕方は?」なんてことに対応してきた。

 上述の新聞に関する内容については、弊社が随分昔から取り組んできたテーマ。そのために全国あちこちへ研修派遣していた歴史もあり、他社には滅多に存在しない資格を有するスタッフの存在が担当するお客様の高いご評価を頂戴している。

 一般の方々の葬儀に対する疑問も多様化してきている。中にはご自身の葬儀についての思いを熱く語られる方もあり、そこに生まれる問題点をアドバイスすると喜ばれるので互いに有意義なひとときとなる。

 途中で「家族葬」についての講演みたいになった。家族葬の施行に関して生じる様々な問題点を話すと皆さんが頷かれ、「なるほど!」という納得の言葉を共有される。

物事は何でも簡単ではないもの。その奥に秘められた問題や、ぷそこに至るプロセスを学んでこそ社会に受け入れられるもの。それを「流行だから!」とビジネス的に進めて被害者を生んでしまったらあまりにもお気の毒。

 故人、遺族だけではなく、親戚から近隣、地域にまで大変な軋轢を生じさせる取り返しつかない恐ろしさもある。そんな例をいくつか提起し、「有り難う。勉強になった」と感謝されることも少なくない。

 単純な考え方で「家族葬」で進められ、終わってから発生した問題で後悔された人達がどれほど多いかと同情を申し上げる。それらを前以って説明し、納得のシナリオで進められるアドバイスをするのがプロの仕事。その部分の欠落が社会に目立ってきたこの頃でもある。

  テレビで問題になっている「あるある」事件ではないが、マスメディアが採り上げる葬儀の内容はあまりにも低次元過ぎる。放送されてから抗議を受け、担当プ ロデューサーが取材不足でしたと謝罪した事件も少なくないし、新聞の文化欄の記事で葬儀の費用について分析されたことに大きな誤りがあり、それを指摘した ら責任者から謝罪の電話があり、数日後に「ご指摘で、それが誤りであったことをお詫び申し上げます」と、私の氏名入りで訂正記事が掲載された出来事もあっ たが、噂を耳にした知人達から「お前、何を指摘した?」と問い合わせが殺到した事件でもあった。

 その指摘とは単純だが大変なミス。東京での葬儀費用の標準が分析されていたのだが、支出の中に「香典返し」の費用が入っていたということで、それなら「収入」という項目をつくり、そこに「香典」を入れるべきでは?というものだった。

 天下の大新聞がそんな考えられないミスを犯してしまうのである。それだけ葬儀というテーマが認識や理解に乏しいことが寂しいところ。テレビの信用が最悪になっている中、新聞だけはミスのないように願いたいものである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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