2002-03-25

ホテル葬・・ハプニング   前 編

ホテルで行なわれる「お別れ会」「偲ぶ会」が多くなり、ホテルに於ける「社葬」は、今やビジネス社会でも常識化しつつある。
 
受注の際、ホテル側が重要視することは日程の決定で、会場スペースが別棟になっていないところでは、同じフロアにブライダルや祝賀会のない日が選ばれている。

 これまでに様々なホテルでプロデュースを担当させていただいたが、プロとして描いたシナリオになかった「予期せぬ事態」も何度か体験した。

  ある社葬の日程調整を行なっているとき、お客様がどうしてもこの日しか出来ないという条件を付されて懇願されたことがあった。それは葬儀委員長をつとめら れる方のスケジュールの重要視からで、大切な得意先の社長でもあり、委員長を変更することが絶対に出来ないということだった。

 ホテル側と検討に入ったとき、同日、同時間、隣接会場で、ある企業さんの創立記念祝賀会が行なわれることが分かった。

<これでは、絶対に無理だ>との判断から、電話で事情説明の一報を差し上げたが、それから10分も経たない内にお電話があり、「その日、決行です」とおっしゃられた。
 電話による会話というものは誤解が生じるもので、私は「その日、結構」ですと、他の日に変更されることになったと勝手な判断をしていたところ、先方も気付かれたようで、「行なうという意味の決行です」と念を押されてこられた。

 祝賀会の隣で社葬、これはお互いに大変な問題であるが、その旨をもう一度説明しなければならないと思う間もなく「先方さんと話が付きました」と言葉が返ってきた。

 それによると、祝賀会を開かれる企業さんが委員長さんに関係のある会社で、すぐにOKのご返事をいただいたそうである。

 各会場が密室化され、音響の問題はクリア出来るが、共有するスペースとなるロビーやフロアの受付では大変である。
幸いに大きなホテルで、思っていた心配もなくスムーズに流れる本番となったが、開式前に白ネクタイと黒ネクタイの会場の交流が行なわれ、貴重な体験として、不思議な光景を垣間見ることになった。
 
さて、あるホテルの会場で、300人程度規模のお通夜の準備を行っていた。そのすぐ上のフロアではブライダルが行なわれており間もなくお開きになる頃。とんでもない事態が発生した。

プロの私が驚いた結末。     ・・・明日に続きます
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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