2019-09-07

家族葬と絆葬  NO 8572

屋島 数日前に東京ドームで芸能界に多大な功績を残されたジャニー氏のお別れ会が行われていた。密葬の際は「家族葬」ということで限られた関係者のみで進められたが、これは「家族葬」と言うべきではなく「絆葬」と言うべき形式だったと思う。

社会には「家族葬」という言葉が目立って増えているが、その背景に後悔されている遺族が多いことも知っておきたいものだ。

交流のある女性司会者がある家族葬の司会に行ったら、葬儀の始まる時間の少し前に近所の方々がお別れにと来られたが、遺族側が「家族葬ですからお帰りください」と固辞されたそうだ。葬儀の際に浸けられる戒名に「居士」というのがあるが、一徹に進まれた人生に授与されることが多いが、参列に来られた方々に「固辞」をされるとは驚きである。

社会は「義務」と「権利」によって成り立っているが、送られたくない権利も大切にしたいが「送りたいという」縁に結ばれた方々の存在も大切にしたい。

随分昔のことだが、あるテレビ番組に出演したらゲストに数名の知られる落語家がおられたが、その中の1人が「私は送られたくないので」とCMの最中に呟かれた。間髪入れずに「あなたは間違っている。芸能人は多くのファンの存在があった筈で、送りたい権利送られる義務も大切だ!」と説教的に説いてしまったが、それから1ヶ月も経たない内に大阪の阿倍野区にある「天空館」で行っていたある方のお通夜に午後9時を過ぎた頃にその人物が弔問に来られ、祭壇前に立っていた私の姿を見て気付かれ、入り口にいた女性スタッフに「あの方に説教されたことがあって、それから考え方を変更することにした」と言われたそうで、女性スタッフが「何を説教されたのですか?」と言うので経緯を伝えたら、私らしい哲学だと賛同していた。

内緒にしていたお通夜に近所の方々が大勢弔問に来られたケースもあったが、他府県に在住されていた喪主さんが故人の生前の交流関係を初めて知られたことになり、思い出話を耳にしてもう少しで後悔するところだったと反省されていた。

ネットで家族葬と検索したらびっくりするほどヒットするが、ややこしい業者ほどこのキーワードを前面に出す傾向にあり、業者選びが全てという葬儀にあって二重の悲しみにならないように願ってしまう。

ある消費者団体から講演を依頼されたことがあった。他府県だったがその市の広報に開催内容が案内され、びっくりするほど受講者が集まられて改めて行政の広報板の影響力を認識した。

講演の終了後に質疑応答の時間を設けたが、その中に「大変な目に遭いました。悪徳業者を取り締まれないのですか?」と言うのがあり、「業者が悪いノは理解出来ますが、その業者を選んで締まった側にも責任がありますよ。大切な方の大切な最期の儀式にどうしてそんな業者を選択されたのでしょうか?」と答えると会場内がどよめき、誰もが私の発言した意外な内容に困惑された。

悪徳業者の被害に遭われた方は、病院で紹介された葬儀社なので信用したと言われたが、悪徳な業者ほど病院との癒着を重視していることも事実で、「白衣」の天使が「灰色」の天使と化していることもあるようだ。

あちこちの講演で質疑応答をすると、質問者の素朴な疑問から学ぶことも多く、私のこれまでの財産ともなっている。

この「独り言」だけでも「8500号」を超えているが、「幸せ列車」のHPに短編小説「女将の独り言」を投稿したり、他のブログや「まぐまぐブログ」を開設していたこともあり、所謂「ネタ」は無尽蔵にあり、こんな駄文の列記を続けているのである。

今、面白い本を読んでいる。阿曽山大噴火という法廷オッチャーの著作だが、裁判官にも様々な人物がおられるし、弁護士にも様々な人物がいることを改めて知り、非常に興味深く参考になった。

法廷を何度か体験しており、毎晩BSの番組でアメリカの法廷に関するドラマを観ているので面白いが、弁護士とは悪でも依頼人の利益のために行動するものだが、法廷に提出する書類に犯罪を認める内容を書いたら指摘されるのは当たり前で、どうやら時間稼ぎのために仕方なくやってしまったと想像するが、この「独り言」を読まれて後悔されている筈だ。

今日の写真は香川県の屋島の写真を。うどんを食べに立ち寄ったこともあるし、屋島の頂上にあるホテルに宿泊したこともある。有料道路をタクシーで走行し、頂上の駐車場から細い道を歩いたが、「イノシシ注意」という看板にびっくり。しばらく行くと「目を合わせないように」なんて書かれていたので恐ろしかったが、ホテルでも夜間はイノシシが危険ですから外へ出ないようにと書かれていたので出なかったが、部屋から見た夕景の美しさが印象に残っている。
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