2003-09-20

時期はずれのお返し   NO 552

台風の影響だろうか、雨脚の強くなる中、遠方の葬儀の式場に向かっていた。

 長い信号で有名な交差点、そこで停止すると携帯電話が鳴る。相手は、式場にいる女性スタッフの責任者。慌てた様子で「早く到着を」と急かされた。

 スケジュールの都合で私が式場に到着するのは、開式15分前頃。彼女の報告によると予定外の資料を頂戴し、緊急にナレーションを創作しなければならないとのこと。

 助手席にいたスタッフに電話を代わり、走行中におおよその内容を伝えてもらう。

 今日のこの葬儀、どうしても彼女にナレーターを担当させたい。私がやればアドリブで可能だが、そこまでは、まだ育っていない。シナリオを読ませたら合格点でもアドリブは危険過ぎる。

 そこで、開式後、導師が焼香されるまでの14分で打ち込むことにした。

 原稿は、何とか間に合うことになったが、私も慌てていたようで、チェックを始めた彼女から、「間違っています」と指摘された。

 その部分、実は、パソコンの打ち込み中に横着をしたところ。過去の原稿をコピーで貼り付けたのはいいが、男性、女性のバージョンが入れ替わっていた。

 よくぞ気付いた?と手直しを済ませ、やがてナレーションが始まった。

 意外に落ち着き、うまく語っている。このお客様、最初からすべて彼女が担当しており、<自分がやらなければ>という強い思いがプラス作用になったよう。ここまで来れば余裕が生まれる。半年後には急激なレベルアップとなる筈だ。

 さて、隠れ家に戻って約束していた4人の来客を迎え、暗くなる頃まで時間を過ごしたが、この間に、私がどうしても担当しなければならない明後日の葬儀が2件入っていた。

 1件が遠い式場。当日は、またぎりぎりの時間掛け。交通事情を考えると、数分前に式場到着という綱渡りの危険性がある。最近、不思議と遠方が多くなってきているが、今日のような単純ミスを犯さないように気をつけよう。

 マンネリの中で発生するミスほど始末が悪い。「基本」と「初心」を忘れず真剣に取り組むように心掛け、1回限りの大切な儀式に接したい。

 今日、来社された業界で有名な女性司会者さんに、隠れ家に設置された音響システムで「司会」と「司式」の異なりを体感いただいたが、明日からの仕事に何かが得られたらと願っている。

 遠いところからの来社。お土産に私の秘蔵の原稿を1枚プレゼントしたが、それは、毎年プレゼントくださる義理チョコへのお返し。男は、義理チョコに弱いもの?
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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