2002-06-02

友人からの依頼    後 編   NO 93

日本トータライフ協会「コラム 有為転変」は、昨日、今日と連載で、結婚式披露宴で同席となった、病院の院長さんと葬儀社社長の「命と死について」の話。是非、ご訪問くださいませ。

 さて、昨日の続きですが、私がシナリオのヒントにしたのは葬儀に於けるオリジナルサービス「命の伝達式」で、その内容については省かせていただくが、基本として進めることは次のようなことだった。

*「只今より」というイメージのオープニングを行なわない。
*アクションは客電のダウンと音楽のスタート。CD「慈曲」から1曲を選曲。
*司会者は、間違いのないように、したためた原稿を読み上げる。
 
「** 会長の人生80年。振り返ればご両親のご存在がなければご誕生されることはなく、そのお父様は、会長が1歳と数ヶ月でご逝去。そんなご不幸を見事に乗り越 えられ、会長ご兄弟を見事に育まれたお母様も、十数年前にご逝去されました。お父様の80回忌にも併せ、まずは、お父様に感謝の合掌と黙祷を捧げま す。・・・黙祷」

「次に、会長のご誕生日という本日ですが、誕生日という日は、お母様のお腹を痛めた日ということにもなります。ご一緒に、お母様への感謝の合掌とご冥福を祈念いたしましょう。・・・黙祷」

*ピンスポが会長に向けられる。そしてお孫様全員が壇上へ。

「80歳のご誕生日を迎えられた**会長。お陰様で、今やこのように9人のお孫様がおられ、お席にはお母様に抱かれた曾孫様も2人いらっしゃいます。そのご成長振りを何よりのお楽しみとされておられる会長に、お孫様達からプレゼントがございます」

 その後でご来賓のお祝いの言葉。きっと、ご用意されたご祝辞の前に、ご両親のこと、そして賑やかなお孫様達のことにも触れられる筈だ。

 ご両親への「献杯」の発声は司会者が行い、続いて行なう祝賀会の「乾杯」は何方かのお願いする。これでシナリオは完成で、偲ぶひとときは「さわやかに」「流れるように」「極めて自然に」というアドバイスを加えた。

  私は。その会長さんの胸中には、ご自身の「生前葬」的な思いが託されているように思えてならなかった。面影すらご存じでないお父様、言葉で表現できないよ うなご苦労を強いられたお母様の存在を考えると、上記のシナリオでは気の毒だと感じてはいたが、誰もが納得をされる「式」「会」にするには「司会」のパ ワーが不可欠で、プロの域となってしまうところから、「シンプル」な形式を提案するに留めた。

 母の日や誕生日、それはお母さんのお腹を痛めた日。親不孝をしてきた私自身が使える言葉ではないが、命の先祖の存在は重要である。

 会長さん、いつまでもお元気で。そして、パーティーのご盛会と司会者の成功を衷心より祈念申し上げます。
                               ・・・・・合掌
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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