2012-10-16

北海道での思い出  NO 3077


 札幌に何度か講演で行ったこともあるし、ホテルで行われた大規模な合同葬のプロデュースと司会を担当したこともあり、北海道には「ご仏縁」に結ばれる人達が多く存在している。

 飛行機嫌いから寝台特急「北斗星」を利用したこともあるが、片道17時間以上という行程に参ってしまい、それからは仕方なく飛行機を利用している。

 そんな北海道だが、過去に様々な出来事で予定を狂わされて往生した思い出が懐かしい。

 札幌の「雪祭り」に是非、ということで夫婦で千歳行きの予約を取ったのだが、当日の午後にどうしても司会を担当しなければならないご葬儀があり、妻だけを予定の便で行かせて私の方はキャンセルした。

  仕事が終わって航空会社に電話を入れたら満席とのこ。「雪祭り」の期間なのでキャンセル待ちも難しいと言われ、何か方法はと気付いたのが函館行きの便。幸 いにも日本航空の席が予約出来て函館まで行き、函館駅から札幌駅まで特急「北斗」で約3時間半の移動。札幌駅に到着したのは午後10時を過ぎていた。

  また、ある時、酷い腰痛に泣かされながら、どうしても札幌まで行かなければならなくなり、国道25号線の源ヶ橋交差点の付近で東行きのタクシーに乗車、 「平野から阪神高速を通って阪和道経由で関西空港へと言うと、運転手さんが「この時間帯なら恵比須町から阪神高速に入り、湾岸を走行した方が近いし料金も 随分と安く上がりますから」と言うので、あなたにお任せと返したのが大間違い。Uターンをして西に向かったのは良いが、阪神高速に恵比須町から入ったらノ ロノロの渋滞中。

「環状線だけですよ。南港の方へ向かう線に入ったらスムーズに流れると思いますよ」と楽観の言葉に安心したが、実はその 南港に向かう線の朝潮橋付近の事故で渋滞しており、全く動かずに時間が1時間も経ったこともあり、やっと関西空港に到着した時点には予約していた便が飛び 立った後だった。

 腰痛がますます酷くなり、伊丹空港への移動も困難なので次の便まで3時間以上も待機することになったので情けなかった。

 もっと参った体験もあった。所用があって千歳に飛んだのだが、札幌駅に向かうエアポートライナーの車内で携帯電話がブルブル。次の停車駅で降りて掛けなおしたら私でないとどうにもならないお客様のご不幸があったそうで、空港に引き返して最終便で大阪へ帰ってきた。

想 像もしなかった体験をしたこともあった。千歳から札幌駅まで快速で移動。そこから目的地最寄り駅である「石狩当別」方面への普通列車の乗ったのだが、窓ガ ラスが凍った状態で外がはっきりと見えず、シートのぽかぽか暖房に生まれる睡魔に襲われ、いつの間にか眠ってしまっていた。

 うつろな状態で車掌さんのアナウンスが聞こえる「当別」と確かに聞こえた。そこでホームに掲げられていた看板を確認すると「当別」の文字が飛び込んで来た。これは拙いとホームに飛び出すと、列車の扉が閉まり動き出して行った。

 しかし、降車した駅は3つも手前の駅であることに気付いた。車掌さんのアナウンスもホームの看板も「当別方面」だったので勘違いだったのである。

 閑散といた駅舎の構内、改札のところにいた駅員さんにタクシーのことを聞いたら公衆電話のところに番号案内があり、10分以内に来るでしょうとのこと。やがて30センチぐらいの積雪の道路を当別へ向かって走り始めた。

 石狩川の土手の上を走行している時だった。運転手さんから「こちらにはお仕事ですか?」と聞かれたのだが、訪問先の方と1時間ほど話し合って札幌市内へ戻ると返したら、、「それは車だったら不可能になるかもしれませんよ」と想像もしなかった言葉が返ってきた。

「あの大きな橋を渡りますが、そこで体験されることになると思いますよ」と説明されたがピーんと来ず、左折して川幅の広い石狩川を渡り始めて間もなく、彼の言っていた現象が目の前で発生した。

 橋の上を吹く強い風が積もっている雪を巻き上げて前方が全く見えなくなってしまう。水分の少ない粉雪がパウダーみたいになって舞い上がる。夕方に掛けて段々と風が強まるそうだし、石狩川を渡れないとなれば当別より先の駅から乗らなければならない。

 札幌市内で次に会う人達のこともあったので、迷惑を掛けられないと、運転手さんに20分ほど待ってね。ついでに札幌までお願いと頼んだ。

 当別で私を待ってくださっていた方には申し訳なかった。豪華な食事の用意までしていただいていたので恐縮至極。事情を説明して失礼してきてしまった。
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