2004-07-05

初めて買うもの   NO 842

自身の葬儀が「一人称的」、家族の葬儀が「二人称的」、それ以外の葬儀を「三人称的」と分析できるが、ご自身の葬儀を我々に事前相談されたり、遺言にしたためる「遺志葬」的なことも増えてきた昨今だ。

 家族の立場で葬儀という「買い物」をすることは稀なこと。喪主になるかその兄弟ぐらいしか体験できず、この「買い物」は未曾有の「買い物」ということになるだろう。

 「お柩は、どれを?」なんて言葉は衝撃だろうが、悲しみの中でとんでもない選択と決断を迫られることも重要なこと。

 「最低のものでいいです」「中間程度のもので」とおっしゃる方もあれば、最後の親孝行だからと言われ、材質、内装、柄などを真剣に選ばれる方もおられる。

 「ご位牌は?」「お骨袋は?」なんて触れたくないことも多くあるのがお葬式。背の高さ、材質、産地、木の厚みなど様々あり、敢えて当て嵌まらない言葉で表現すると「吟味?」となってしまうかも。

 「花なんて贋物の香港フラワーでいいですよ。本物かどうか確かめる人なんていないでしょう?」と言われる方もあるが、弊社は偽物を一切使用しないのが誇り。こんなお客様は「他社へどうぞ」とアドバイス申し上げる。

 業者の多くは「50万円、100万円の葬儀」と簡単に言うが、お出しになる側の心情をどのように考えているのかが甚だ疑問。マンネリの中に極めて恐ろしい魔の心が生まれていることに気付きたいもの。

 この「お買い物」は皆様にとって初めてのこと。そこに高額な費用となれば「真剣」に考えるべきだろうし、子供たちに送られる方の「親権」も大切にしてあげたいと考えている。

 つい先日、受注打ち合わせに行った一人の社員が帰社した。そして、意外な報告を始めた。「80万円のご予算でしたが、内の5万円をお柩のグレードアップに提案いたしました。だから75万円の葬儀価格です」と。

 彼は、最低のお柩を選択されたご家族の方に、次のようにアドバイスをしたとのこと。

  「お孫様がおられますね。ご納棺時やお別れ、ご出棺の際のことを考えますと、このお柩では辛いものがあるかも知れません。『おばあちゃん、こんな箱に入っ ちゃった』と印象的に悪く、悲しみのイメージが強くなってしまいます。だから、80万円から5万円をお柩に充当させ、『おばあちゃん、最後にきれいなとこ ろに入ったね』としてあげたいのですが」

 その葬儀、後日に喪主さんからそのことを「嬉しかった。有り難う」と、お喜びのお言葉を頂戴することになった。

 さて、過日に九州のメンバーが来社したが、彼が自社のHP内「もっこすかわらばん」でその時の出来事を書いていた。

 また、愛知県チタソー「日々報恩 慈しみの気持ち」と北海道の苫小牧・室蘭市民斎場の「めもりあるトピックス 時空を超えて」が感動の物語。是非、弊社リンクのページからご訪問を。

 そうそう、函館の女性が発信される「空飛ぶ水冠 コラム迷いの窓」の「優しい導き」も必見。「久世栄三郎の世界」のページからどうぞ。
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