2004-02-17

笑顔の美?   NO 704  

大阪から鹿児島へ飛び、そこから札幌へ、そして帰路は函館からだったが、嫌いな飛行機も、今回は気流が安定しており穏やかな飛行でホッとした。

 エンジンのトラブルなんて発生したら、「乗らなかったらよかった」という後悔に襲われるのは確実。そんなところから反省で済まない「後悔」に対する人生哲学が飛行機嫌いにさせた。

 搭乗した全便「ANA」だったが、格安航空券や競争の激しい業界事情が理解出来ても、<それはないだろう>ということを感じたので苦言を呈したい。

 背もたれのポケットに機内販売パンフがあるのは許せるが、その事実説明や積極的に販売行為をされるアナウンスはおかしいと考えている。

 朝刊を読まずに搭乗し、機内の入り口に設置されている新聞を手にして読んでいたが、「朝のNHK放送の録画を放映します」というアナウンスがあり、急いでイヤホーンを耳にして映像を見ていると、突然イヤホーンの音声が中断され機内販売のアナウンスが流れてきた。

 究極のサービスの世界であり、多くの女性の憧れの仕事である客室乗務員がこれでは最悪。会社側が命じていることであってもタイミングという「知恵」の欠落を感じ、あまりにも礼節を欠いたレベルであると怒りの心情を抱いた。

 そんな思いで彼女達を見ると、接遇に於ける笑顔や仕種がいかにも「営業」という表情に染まってしまう。

 これまでに、多くの同業者からスタッフ教育の講師を依頼されたことがあるが、その中の数社が「元、客室乗務員」という方の受講も受けておられた。

 表情のつくり方、ヘアースタイル、足の揃え方、美しい礼の仕方など、さすがにプロらしい教示をされたらしいが、経営者達は「何かが違う」と私を呼ばれたこともあり、その原因が上述したことのように思える。

 私は、難しいことを教えることはしていない。力説したことは本人の「真」のサービスの心。そこに自然に生まれるであろう「後光」や「オーラ」が重要だと説いただけ。

 それらは、決して前からではなく「後ろ姿」に凝縮されるもの。そんなアドバイスで大きな意識改革につながり喜ばれてきた。

 容姿端麗という言葉があるが、品位、品格は表面から創造出来るものではない。内面から輝く心が真の端麗な容姿を形成させる。

 モデルの品評会ではない機内。憧れの仕事であるから許されていると謙虚になられ、もう一度サービスの原点を見詰め直して欲しいと願っているが、今のレベルなら、はっきり断言して、葬祭式場では使えないと知って欲しいものである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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