2003-08-07

恐怖の体験  前編   NO 508

ゲリラ雨の地域をようやく抜け出し、久留米を過ぎ、大宰府インター付近で小雨になりホッとする。

 大阪までの道中は長い。無理をして事故を起こせば大変。明日、先生は名古屋行き。私は東京への出張があるし、互いの人生まだまだこれから。そんな会話を交わしながらハンドルを握り制限速度で走行。

 そんな我々に緊急事態が発生した。それは、長いトンネルをいくつか抜け、もうすぐ門司という下り坂に差し掛かったところだった。

 追い越し車線を走っていた私の車。急にハンドルが重くなり、アクセルでの加速が反応しなくなったのである。

 計器類のランプがすべて点灯している。<何かのトラブルでエンジンがストップした>一瞬、そう判断し、指示器を出して左車線に変更。後方を確認してハザードランプのボタンを押し左に寄る。

 このあたりの制限速度は100キロ。カーブの差し掛かりだが下り坂から120キロ、130キロで走行する大型トラックも多い。

 エンジンストップによる影響でハンドルが重くブレーキのパワーがダウンしていたが、
<ここしかない>という場所を通り過ぎる寸前で停止することが出来た。そこは、少しだけ路肩が広くなっているところだが、車の右前方部分が30センチほど走行車線にはみ出していて危険な状況。

 そんなところへ突っ込んでくる事故の多いことは知っている。警察、JAFのことが頭を過ぎる。道路横に100メートル毎に設置されている距離表示を確認し、取り敢えずJAFに連絡をする。

 「30分か40分ぐらいで到着できると思います。それまで安全に心掛けて車外に退避しておいてください」

 電話口の女性の声が天使の言葉のように聞こえる。そんな時、タイミングよく覆面パトカーが通りすがり、事情を説明するとすぐに行動を始められた。

 走行車線に少しはみ出している車を5メートルぐらいバックさせようと、2人の警察官とA先生が前から押すことになった。

 道路は坂道、おまけに車は2トンの重量を超えている。それでも車がゆっくりと動き出したのだから大変な労力を費やしてくださったと拝察する。

 それが終わると非常を知らせる道路標示をいくつか並べられ、カーブが始まる80メートルぐらい後方で警察官が赤旗を振っておられる。パトカーの天井に点滅する赤色灯が心強い存在。

 「スピード違反で検挙」 通過する車両にはそう思われるだろうが、今、我々2人は、この警察官2人に守られているのが事実。

                    明日に続きます
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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