2017-11-11

あれから10年  NO 8025

シドニー インターコンチネンタル ホテル駅で知人に会った。ご伴侶を見送られてから数年経つが、ご生前の面影が蘇る素晴らしいご遺影だったことを記憶している。

お好きだった音楽がドラマ「鬼平犯科帳」のエンディングに流れる曲で、私も耳にする度にそのことを思い出す。

彼女が改札口を出て来られたところで会ったが、息子さんのお嫁さんが急逝されたそうで、33歳という若さに衝撃を受けた。

子供達の存在は?と心配したが、ご心痛を拝察しながら後ろ姿に手を合わせた。

病気と寿命は異なると言われているが、私のように10回以上も入院しているのに生かされているケースもある。人の命は分からないもの、いつも最悪の想定を考えながら血液検査ぐらいは受けたいものだ。

昨日の新聞記事に拉致問題をトランプ大統領に任せていいのだろうかという指摘があった。わが国の「法治国家」を「放置国家」と揶揄する内容もあったが、被害者家族の皆さんの年齢も高齢になっている現実を考え、拉致を命じた国家の恐ろしさを再認識した。

ここからは前号の続きとなる「10年前の独り言」から転載を。

お父様へ  NO 2021   2007-10-31

あなた様のお人柄を物語るような素晴らしい日和、そのご遺徳を偲ばれる多くの方々のご参列でしたが、ご焼香を終えられてもお帰りになる方がほとんどなく、大半の方がご出棺をお見送りくださったこと、そして、火葬場まで随行されたご親戚以外の方々の多さに驚きました。

ナレーションを推敲しながらご家族がしたためられた文章を拝見いたしましたが、「人に歴史あり」という言葉そのものという波乱万丈の事実を知り、あなた様の「男の美学」の背景を学ばせていただいたような気がいたしました。

ご長女が弊社に入社されてからしばらく経った頃、喫茶店で偶然にお会いし「素晴らしい娘様で喜んでいます」と申し上げると、「しっかりしてるよ、あれは」と、ご自慢され、ニコッとされた時のご表情を思い浮かべています。

そのしっかりされた素晴らしい娘様が、あなた様のご葬送の儀式を素晴らしい『かたち』として具現化され、参列されたすべての方々に感動のお言葉をいただく葬儀が執り行われました。

あなた様が尊敬されていたお方のご弔辞の内容も素晴らしく、幼い初孫さんの「お爺ちゃん、有り難う」と作文された「お別れの言葉」も最高でしたし、その BGMにチーフ・パーサーが用意していたハーモニカの曲を流していたら、「お爺ちゃんからハーモニカを」という発言が耳に入ってびっくり。その途端に式場内が嗚咽される雰囲気に包まれ、その後の弔電代読、ナレーションの声の調子に変化が生じて申し訳なく思っています。

そして、葬儀式終了 後のご長女の謝辞には感銘を受けました。あなた様がご自慢されていた娘様の素晴らしいハートを改めて感じました。披瀝された闘病生活に於ける彼女の細やかな配慮にも涙しましたが、あなた様がどれだけご家族に愛される存在であったかを切々と語られた姿に、心の中で「えらい!」と拍手を送ってしまいました。

火葬場まで随行し、式場に戻ってから地元の喫茶店に立ち寄り食事をしましたが、受付をお手伝いくださった十数名の役員さん達の半数ぐらいの方が来られており、皆様からお孫様と娘様のお言葉に感動されたとのご感想を伺いました。

早過ぎて惜しまれてならないご逝去ですが、ご葬儀の中で、ご遺族となられたご家族の絆の強さがはっきりと伝わって参りました。

そんなあなた様の素晴らしい娘様が、弊社の社員として存在していることをスタッフと共に誇りに思い、ここにご仏縁に対して感謝の合掌を申し上げます。どうぞ安らかに。そして現し世の皆様をお見守りくださいますよう。

今日の写真はシドニーで2泊過ごしたインター・コンチネンタルホテルを。歴史ある改造建物をホテルとして利用したことで知られているが、すぐ前にオペラハウスがあって部屋から眺めていた。
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