2003-05-30

台風の余波    NO 445

東京へ出張していたスタッフ達が帰社した。 

 社内は仕事に追われパニック状態。そのうえに台風の襲来が予測され、みんなの神経が過敏になっている。

 ビデオとオリジナルボードの創作を担当しているスタッフが気の毒。昼食をする時間が取れずに申し訳ないが、時間との戦いに入っており、私の技術ではどうにもならない世界なので心苦しい。

 そこで、作業机の一角に腰を据え、お通夜用のナレーション創作を始めた。

 時計に目をやると午後2時過ぎ。さっきまで晴れていた空、南西の方向に雲が現れ、動きが早くなって来た。やはり台風が近付いてきているような雲行き。今晩のお通夜がいよいよ心配になってくる。

 そこで<この時間に>と考え、葬儀当日用のナレーションも創作することにした。

 合計4本、80分の時間を費やして原稿の打ち込みが完成するが、ビデオと合わせて計算してみると、ナレーターとして語るのは19分46秒。

 人指し指1本でパソコンに打ち込むスピードが、語り口調の約4倍で打てるということを再認識することなった。

 私は、もう、これ以上のスピードは不可能だろうが、本音に<早くなりたい>との思いがあっても、<原稿の中身が重要だ>と負け惜しみ的な心情を抱いてしまうのは年の所為。

 明日の天候を考えると、式場で本番前に原稿の変更を余儀なくされる。午後のお客様は300坪ぐらいある広いご自宅。外で待たれる参列者のことを思うと「短縮」も必要となってしまう。

 故人を偲ぶひとときは、やはり環境が重要。ホテルでの葬送を多く体験してきた私は、それを誰よりも強く思っている。

『台風よ、消滅してくれ』と願いながら、ここで取り敢えずパソコンの打ち込みを終わる。

 夕方から近くの葬儀の準備状況を確認し、タクシーで遠方の式場へ向かう。

 手入れされた木が茂る見事なお屋敷、植え込みの通路が狭くて焼香の方々の往復で問題があるが、何とかクリア可能なようにスタッフ打ち合わせを行なった。

 折悪しく途中で雨、弔問者の流れがひととき滞り、ポイントになる場所にスタッフを配置し、何とかスムーズに回転することが出来た。

  そして次の式場に移動した時、事務所のスタッフから連絡が入った。社葬のお客様からファクシミリが入っているとのこと。もう、日付が変わって帰社すること が確実で、この原稿を式場の片隅で打ち上げ、そのお客様に明日の早朝に返信させていただくしか仕方がなく、本当に申し訳なく思っている。

 それらの原因となったのが明日に襲来しそうな台風。何とも腹立たしい自然の現象なのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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